3.《ネタバレ》 最初のうちは、「おお、これはなんかすごいかも」と思って見ていたのだが…終盤になると、正直「寒い」という気持ちが芽生えてしまった。
ストップモーションとか、スロー再生とか、CGとか、一点から始まってクギが落ちる瞬間まで撮るとかいう驚愕映像とか、そういうのは、映画が「おもしろい」と思えるかどうか、とは直接結びつかないのだなあ。
んで、何が「寒い」かというと、脚本と演技だ。
アントンが実の子の存在を確信して急に父性愛に目覚めてしまう、とかいう安い展開、その子が人質に取られてアントンが身を投げ出す、とかいうさらに安い展開。…これが、ロシア語じゃなくて英語だったら、どんだけチャチに見えるだろうか。何割増しか、言語に救われている面がある。
また、息をつかせぬ展開と説明の無さで、中盤までわざと分かりにくくしているのはいいのだが、後から説明めいたセリフや場面がドンドン出てくるのがなんだかなあ。とことん脚本が安いのである。
演技、これはもう、あなたがアントン役の俳優に耐えられるかどうかで、映画の評価を左右してしまう。私はダメだ!キモい、暗い、下手だ!
「実写にする必要がどこにある」と言いたくなるような作品だ。