2.《ネタバレ》 観賞後、時間がたつにつれて、評価が徐々に下がる作品でした。設定や展開の強引な点が、よく考えるとかなり無茶苦茶で、まったく整合性がないことに気付くからです。
良く言えば、「映画」という、一方的にストーリーが流れていくスタイル(と、主役のデンゼル・ワシントンの持つ説得力)をうまく利用しているのであるが、逆に見れば、見せ場の要素だけで作った話の、細かい部分を誤魔化しているともとれると思います。
色々気になる点は多いですが、いくつか挙げると…1.前半で女性が殺されているが、過去に行ったデンゼルが接触した形跡がいくつもある。ストーリーの伏線であるのだが、デンゼルと接触したなら、生きているはずで、過去に戻っても、救えるのか無理なのか判らなくなる。 2.レーザーポインタの光が過去の相手に届くという事は、物理的に空間がつながっているという事になる。向こう側に相手が存在していなければ、光を当てても反応しない。ということは、犯人に対して狙撃もできるはずだし、メモも投げれば届くし、人間もモニターに向かって飛び込めば、向こうに行けるはず。そうじゃなければ、なぜレーザーの光だけが届くのか?まったく説明も無いし、重要な演出にしていることの神経を疑う。
3.衛星画像のデータを処理し、4日前の特定地域の3Dヴァーチャル空間を再現していたら、本物の過去つながってしまった。という設定だが、この現象と「過去を見ることができるゴーグル」とのテクノロジー的関連性は全く無い。なぜ過去が見られるゴーグルが作れるようになったのだろうか?もちろん、説明は無い。
正直、上記の点は観賞中には、そんなに気にならなかった(というより、ゴーグルが出てきた時点で考えないようにしました)ので、映画としての勢いはあったと思います。ブラッカイマー節全開といったところでしょうか。
しかし、私がもっとも違和感を感じたのは、主人公の行動が、「女性を助けるために過去に行き、そのついでにテロをくいとめる」ように見えてしまった事です。とても感情移入しづらい行動理由であったと思います。また、登場シーンでは、知的で行動力あふれるキャラクターだった主人公が、途中より行動力のみになってしまったのも、残念に感じました。