1.これはいくら何でもひどい、清張が泣く。原作は短編とはいえ、松本清張最初の推理小説であり、賞を得てその道の作家として第一歩を踏み出した記念すべき作品である。
顔が知られるようにはなりたいが、顔が出ることにより忌まわしい過去が明るみになっても困る。そこに主人公の苦悩があり、策におぼれて失敗することになるのだが・・・。
この小説は何度もテレビドラマ化されており、近年ではNHKでも生誕100年を記念して制作されたほどだ。
ところがこの映画は、何と主役(犯人役)を女性にするなど、原作の面影はどこにもないし、都合がよい展開は下記の方が指摘されているとおりである。岡田茉莉子を主役にするならば、もっと深みのある作品にできたはず、それだけの女優さんなのだから・・・。