1.《ネタバレ》 見る前は社会派医療ドラマだと思ってました。実際、代理母を始めとして、医師の不足、受け入れ体制の不備、堕胎、不妊、少子化等、産科を巡る現在の問題を網羅するように提示しております。だけど、それを描く話術はぎこちなく、役者は振付けの通りに動いているような感じで全くリアルな存在には見えて来ず、面白味もなく、まるで運転免許更新の講習ビデオみたいだな、これじゃあまり多くは期待できなさそうだな、って。フラットなライティングとメイクと顔だけを強調するヘアメイクが作りだした菅野美穂の表情の違和感は、それが意図的だとしてもやり過ぎ。更にエピソードが繋がっておらず、常に唐突な展開をするので、映画が意図するところが見えてはいても映画として全く機能していない部分が大量に存在して。白石美帆のエピソードは過程が1つ丸々抜けていますし、大森南朋は放置されてしまいます。この音痴な映画は一体・・・と思っていると、クライマックスで映画は一転、凄い事になります。ドタバタコメディ。しかもフジテレビ製バカ映画『ベイビィ ベイビィ ベイビィ!』そっくりと言うか、そのまんまと言うか。マジでまるでコピったかのように。こちらはシリアスを気取っているだけに余計タチ悪いです。そして、社会派としてもミステリーとしても全く成立しないまま、『踊る大捜査線』の青島&室井みたいな安易な結論だけ語って終わりになります。描かれる出産の感動っていうのは映画の力ではなく、結局この映画はデキの悪いバカコメディの更に二番煎じ(こちらがオリジナルだとしても、登場順的に)という最悪なカタチを呈しただけで。もう唖然呆然でございました・・・。