1.《ネタバレ》 ジャック・カーディフというヒトはカメラマンとしては実に素晴らしい仕事(「黒水仙」「赤い靴」「アフリカの女王」「裸足の伯爵夫人」…)を数多く残したが、監督としては本作のような「何考えてんだ」的迷作が圧倒的に多い。その中でもズバ抜けて非道いのがコレ!!流石に本作以降は「二度とやるな」と各方面から釘を刺されたのか、カメラマンに徹している。この一事を以って見ても本作の出来のトホホ加減が容易に判断できよう。作りとしてはマッドサイエンティスト物に見世物小屋の趣向をミックスさせてブラウニングの「フリークス」っぽくもある。しかーーーし!”ヴィーナスのハエ取り草”男のタコチュー顔の超絶的な間抜けさで全てブチ壊しだ。しかも彼が人間に襲いかかり、科学者プレザンスをも殺す”メインディッシュ”扱いなのが何とも痛い、イタ過ぎる!!ストーリーと無関係な美しいショットが意味不明に挿入されるのもカーディフの腕自慢を誇示したかったのか知らないが流れを殺ぎ甚だ興醒めである。劇場でコイツと「吸血の群れ」を立て続けに観た脱力感は凄まじく、心身の回復に可成りの月日を要したのだった…。