1.《ネタバレ》 確かに「キリシマ」の映像は美しかったが、あとは退屈なだけの映画だった。主人公?の少年が、友人を見捨てて逃げたことを悔いて見せていたが、その思いが伝わってこないどころか、むしろ他人の手を借りて死のうとするところに強い甘えを感じて呆れた。亭主が戦死した女が、息子という労働力を持ち、地主に地代を免除してもらっているにもかかわらず、男をくわえ込んでいる有り様には、呆れるばかりだった。亭主が実は生きていると分かった後、子供のことを考えもせずに自分勝手に死のうとしたり、帰ってくるだろう亭主の家に放火して逃げ出したり、その身勝手さには心底、呆れ果てた。キリスト教のゴッド、八百万の神、現人神、いずれも「かみ」という言葉を使うが、意味するところは同じではあるまい。それを故意か過失か不勉強のせいか混同しているところにも、私は真に呆れ果てた。