4.プラトーンが世界的に大ヒットし、その後二番煎じ的に公開された本作。当時中学二年生でしたが既にどっぷり映画オタクと化していた私は、18時30分からの試写会ハガキ(一人用)を握りしめ、夕食も取らず喜び勇んで見に行った記憶が蘇ります。ただ、見終わった後はガッカリで、21時という遅い時間に足取りも重く帰宅(&軽い食事)した記憶が鮮明に思い出されます。
今回35年ぶりに再鑑賞してみましたが、前半35分ほどは中学二年生には早すぎるシーンの連続で面白くなかったハズだわ、と。そしてその後の戦闘シーンもただただ淡々と激戦とその間の兵士たちの心情を描くだけでプラトーンのようなドラマチックな展開は無く、かなりの真面目&リアルを意識した映画だったんだなということが理解できます。
映画ファンなりの持論を展開するとすれば、映画などの映像作品は基本的に2つのパターンしか存在しません。1つは好みや内容に関わらずついつい目が離せなくなるもの。そしてもう1つはそれ以外のものです。残念ながら本作ハンバーガー・ヒルは後者だと感じました。プラトーンやフルメタル・ジャケットなどと比較すると、本作はどうにも退屈してしまって集中力が続きませんでした。(イミフと名高い地獄の黙示録でさえ、なんか凄い映画だということが広く認知されていたし、私自身もオープニングから目が離せなくなる)
ただ実際には「アパッチ・スノー作戦」という実際にあった事柄の映画化だそうで、ほとんど音楽がないことからもかなりのリアル路線であったことが推察できます。937高地(通称ハンバーガー・ヒル)という丘を奪取するための10日間の激戦と、それに伴う一休みする描写が交互に、なおかつ非常に丁寧に描かれていて撮影としては意外と手間がかかっています。(でも泥んこの中で何やってるかよく判らない)
素人ながらざっくり言ってしまうと、最前線のドラマチックな展開や激戦の模様は他の作品に任せておいて、本作では「第101空挺師団の補充兵」として前線に送られる前段階の話を描いてくれたほうが面白かったかもしれません。前半部で描かれたようなベトナム女との情事、疑問、葛藤、哲学などを中心に描いてくれていたら他の戦争映画とは違った趣になったのではと感じます。当時の残念だった記憶を考慮し、若干厳しめの点数といたします。