1.《ネタバレ》 このテンションの低さは一体どうした事かと。メインとなる二人、ジェットの熱さは冒頭で発動したと思ったら、後は延々とワキに回ってココロはまるで見えなくなるし、実質的な主役、シェリーに至っては最初から最後まで受動的で寒々しさを漂わすばかりの、主体性のない存在。こんな状態から生み出されるモノから魅力が溢れ出す訳もなくて、見た目とは裏腹な、ただ時代に翻弄されてゆくだけの弱々しい姿が描かれてゆくばかり。実話を元にするとしても、そして辿り着く場所が決して心地良いところではないにしても、ランナウェイズが生きた、その爆発した瞬間というのは決してこんな寒々しさだけで語られてしまうモノではなかったと思うのですが。光をちゃんと描かないと影だって薄くなります。クリステンにしてもダコタにしても、熱演状態なのですが、それが、空回りしてゆく映画に対してちっとも実になってゆかないもどかしさ。期待したランナウェイズの音も納得できるところまでは全く到達しないままに終わってしまいますし。監督は『タイムズ・スクエア』を100回見て勉強すべき。ところで、脱退後、女優となった実際のシェリー、調べてみると映画版『トワイライト・ゾーン』のジョー・ダンテのエピソードに出ていたようなのですが、どこに出ていたのか全く記憶になくて、しばしDVDを見て思いだしました。・・・なんていうか、その姿は自虐ネタか?みたいな。ジョー・ダンテの悪い冗談て感じ。