1.《ネタバレ》 刑務所に入れられた妻を無実と信じる夫が、妻を脱獄させようと奮戦する話。
大学教授が脱獄という方法を選ぶというのが無理筋。
インテリの頭があるなら、助けたければ真犯人を挙げるために自分で動くことを選ぶでしょ。
移送されるまで3日しかないっていっても、移送後だって無罪が証明されれば出られるんだから。
どうしても無茶な方法を取らなければならなかった理由が弱い。
死刑執行の迫る兄を無法地帯の刑務所から救う『プリズンブレイク』のほうがまだ説得力がある。
前半は素人臭い失敗ばかりしていたのに、後半になると急にエージェント並みの活躍。
警察や刑務所を出し抜いて妻を奪取し、麻薬組織のアジトに乗り込み殺人まで犯しながら金を奪い逃亡する。
ジャック・バウアーじゃあるまいし、違和感ありまくり。
妻の言動も理解できない。
自分を疑わない夫に対して、なぜ思わせぶりなことを口にする必要があるのか。
そこには、ミスディレクションを狙った監督のあざとさだけが見える。
逃走中に妻が猛スピードの車から飛び降りようとしたのもわけがわからない。
落ちたら死ぬ可能性が高いのに、何の意味がある?
矛盾点が気になってストーリーに乗っていけないので、アクションを楽しむしかない。
同監督なら『クラッシュ』のほうが面白かった。
アクション重視より、妻に対する僅かな疑惑からの心理劇の展開にしたほうが、自分的にはよかったのだが…。