1.《ネタバレ》 設定上、アクションに乏しくなるのは仕方ないが、生田斗真と岡田将生も終盤には別行動となるのでドラマの収束感が薄く、
サスペンスも散漫である。
加えて生田ら警察側が現場の物証を素手で触りまくったりという描写の杜撰さがあちらこちらで目についてさらに緊張感を削いでしまう。
記憶の視覚化という設定にはメタ映画的な面白さがあってしかるべきなのだが、POV以外の余計な映像まで織り交ぜてしまっているので
映像の死角を探ったり、細部をブローアップしたりという『ブレードランナー』的な解析プロセスの面白味も無い。
生田・岡田それぞれの居間の美術セットは彼らの心象をよく表していて、ラストで動画を見る岡田の背景で窓外の緑が彼を癒すように広がっていく。
鏡や窓、マジックミラー、水面などもよく登場するが総じて不発気味の印象である。