1.《ネタバレ》 前作の詰め込み感がずいぶんと薄まって普通に見やすくなっている。のは良い(?)として、全体の話は前作ラストの設定そのままに最後まで進んでいく。パパはお前を受け入れるがお前も幼い妹を受け入れないとだめだぞ、という落ち。そう、あれはクリフハンガーではなくて「落ち」なのでこの映画はその落ちを延々説明しているわけ。
まあそういう映画があってもいいとは思うんだが、問題はこの作品の重要な要素である「大人エメット」。「子供の心を失わないで」という一見まともなメッセージに見えるが、ちょっと待ってほしい。前作で成長したのはエメットではなくて実はおしごと大王の本体であるパパなんだよね。エメットはただ本領を発揮しただけ。
いい歳をして自分の世界の完全性にこだわる男(パパ)が、その幼児性を捨てて子供の創造性を受け入れる、つまりパパは一歩「大人」になる。そのパパが今回は声だけで、しかもまったくの駄目親父に成り下がっているのはどういうことか。今回の制作陣は前作の意味を理解していなかったんじゃないか?
映画の出来としては別に悪くないし普通に楽しめる作品にはなっている。でもこの映画、そもそも作らない方がよかったんじゃないの?