1.《ネタバレ》 酷評するコメントが一つも見当たらない中で勇気をもって言わせて頂きますと、自分にとってはこの映画は典型的な駄作。
冒頭から熊のように肥えた体を見せられた時点で、「ウワッ!イヤな予感!」と思い、立て続けに銃の乱発シーンも見せられれば、「はいこの映画、終了~」となってしまうわけなのであります。
こんなしょーもない映画を最後まで見た自分を褒めてあげたいと思う中で、読み取ったストーリーはというと、元々あった町には無法者が住み着いていて、そこにロイ・ビーンがやって来る。銃をブッ放して一網打尽にしたところで何処からともなくアンソニー・パーキンスが登場し、死者を弔って早々と退散(「その後、自分は死んだ」というモノローグでしたが、どこから語ってんだ?)。
熊を連れた男が現れ、熊を引き取って共に暮らすという展開になりますが、簡単に人を殺してしまうこれまでの流れを踏むと、熊だって同様に映画の最後までは生き延びることはできないだろうという事は容易に想像がつくわけで、元々の飼い主よりは画面に映る時間は長かったもののやはり大した役割やメタファーも与えられることのないまま死亡(死んだ時の血糊のリアリティのなさは失笑モノ)。
更に話は進み、白髪の殺し屋もさんざん叫び狂った挙句背後から撃たれて瞬殺だし(ここは笑うところ)、この土地は自分のものだと主張する弁護士もロイ・ビーンに軽くあしらわれ、ストーリーにおいての存在意義は熊にすら及ばずこちらも即終了という有様。これだけの脇役が町に現れては消えてゆくという展開の上、終盤の銃乱射に続く大迫力(笑)の町の炎上シーンの後に映画は完結・・・ともなれば、タイトル通り主人公ロイ・ビーンの物語と言うよりも、むしろ舞台となったこの町の沿革物語としたほうが良いような気もしてきます。
最後の手紙の内容も、まぁ、何となくお涙頂戴っぽい感じでフィニッシュに漕ぎ着けてはいますが、それまでのハチャメチャ感との落差には唖然とするしかなく、感動とはまた違った涙が出てきそうになりました。(て言うか、あれだけの大炎上で何で六法も手紙もポスターも焼けずに残ってんだ?)