1.東京物語の元ネタということで見てみましたが、基本的なプロットが似ているだけでほぼ別物という感じですね。やはり東京物語に比べると当時のアメリカの事情に疎いこともあってか感情移入することが難しく他人事のように眺めることしかできませんでした。親子関係より夫婦の愛を強調したような内容なのは日米の文化の違いですね。そのためか親を受け入れる子も含めた複数の視点からではなく老夫婦の世界が物語の中心になっているのも共感しにくいところです。古きものが去るというテーマにおいても戦争を経験し高度経済成長へと向かう時代を舞台にした東京物語と比べると狭い世界を描いただけのスケールの小さなものと感じてしまいます。姥捨て山のようなエピソードには意外と普遍性があるということを発見できたのは一つの収穫でした。