1.《ネタバレ》 信じるものは自分だけと裸一貫、黒いこともやりながら町の名士にまでなった男は、惚れた女を自分の店の看板歌手として保持しようとする。女はオペラ歌手としての成功と惚れた男の間で揺れ動く。二転三転するドラマが終盤のサンフランシスコ大地震で一気にひっくり返る。今までのドラマはいったいなんだったんだと思うくらいにすべて無かったことに。大地震というのはそういうものなのですが、一つだけ繋がるエピソードが「神を信じるか」というテーマ。けっきょくコレを描きたかっただけなのかも。幼馴染の神父の助言も無視する無神論者が地震をきっかけに神を信じる。しかしたくさんの人が死に、恋敵まで死に、惚れた女が助かっていたことを知り、神の存在を意識するってのはちょっと自分本位にすぎないのではと思ってしまう。製作年からすれば地震のシーンはかなりの迫力があって、さすがはハリウッドと思いはしますし、神よりもなによりも音楽が幸せへの道筋を照らしていると個人的に思った各シーンは印象深いのですが、メッセージが説教くさく、なおかつその説教が強引すぎる。