1.《ネタバレ》 香港の夜の雰囲気が良く出ていて楽しめた。
しかも、全編にわたって現地ロケに徹しているのが良い。
新宿とか香港とかを題名に銘打っていても、ちょろちょろっと街頭の風景だけ撮ってみせて、あとはその街らしさのかけらも出てこない、なんて作品が多い中、本作はその部分で既に秀でている。
ただし、変に凝った映像と演出には少し問題がアリかと。
前半はサスペンス色を出そうと頑張ったせいか、とても解りにくい。
そして、映像も臨場感を出そうと頑張ったせいか、とても見づらい。
時間軸をずらす手法も、必然性がいまいちだ。
そして何より、後味がよろしくない。
主人公が死ななければならない理由が見えてこないのだ。
それに、あの若い警官が撃たれて死ななければならない運命的なものも感じない。
惨殺と呼べるほどの衝撃的な死に方をさせたその意図が分からないというか、関連付けが感じられないのが致命傷ではある。
ただし、最初から最後まで飽きずに観られたという娯楽性の面においてはそれなりのレベルに達している。
香港を舞台にしたクライムサスペンスとして単純に楽しめばよいのかもしれない。