1.「仮面ライダー」なんてまともに観たのはもう何年ぶりだろうか。
人によれば、ある程度大人になっても好んで見続けている人も多いようだが、個人的にはそれほどこの“ヒーローもの”にハマったという記憶はないので、映画版なんて観たのはもうほんとうに幼少期以来だろうと思う。
まず感じたのは、最近の仮面ライダーはこれでもかという程“派手”だということ。しかも、この「W」というシリーズはコンセプトがピザ屋で言うところの“ハーフ&ハーフ”なので、そのビジュアルの派手かましさはこの上ない。
「BLACK」だとか「RX」の比較的シンプルなデザインの仮面ライダー世代の者としては、どうしても「これ、カッコいいのか?」と疑問符を投げかけてしまうが、これが今の世代の子供たちにウケているのであれば、それが正解なのだろう。
近年の特撮ヒーローものの中では、「アクションシーンが抜群に良い」という評判をあちこちで聞いたので鑑賞に至った。
なるほど、確かに各アクションの切れ味は良く迫力があった。前日にドニー・イェンの映画を観た直後でも充分に鑑賞に堪えたことを踏まえても、そのクオリティーの高さは間違いないだろう。
ただ、仮面ライダーに限らず、昨今の特撮ヒーローもののワンシーンを時々観て常々感じることだが、「変身」のために必要なメカやツールがあまりにゴチャゴチャとし過ぎじゃないかと思ってしまう。
この仮面ライダーシリーズに至っても、タイトルにもある“ガイアメモリ”という大きめのUSBメモリーみたいなツールが変身のための要となるわけだが、それが敵味方両方で入り乱れるように行き交い、次第にこれは一体何の戦いなんだと思ってしまった。
こういうのは、明らかに玩具メーカーの策略で、関連グッズを子供たちにバンバン買ってもらおうという魂胆が見え見えなので、ついつい訝しく見えてしまう。
まあそういうつまらない“大人目線”をしてしまう時点で、もうこういう特撮ヒーローものを観る「資格」はないのかもしれない。