5.《ネタバレ》 今までの劇場版に比べて、原作の馴染みのあるキャラが結構出てくるし、ストーリーにもしっかりと絡んでくるので、映画オリジナルというよりも原作に近しい感覚で観れた。そのせいか、映画というよりもどちらかというとテレビスペシャルのようにも感じてしまった。まあそこが良いのか悪いのかは微妙なとこでもある。
ゼットというキャラだけど、家族を海賊に殺され、自分が育てていた新米も海賊に殺され、その海賊が七武海に迎え入れられたことで海軍に絶望してネオ海軍となり、新世界そのものを破壊、ワンピース自体を抹消しようとする。そのためには一般人の犠牲もいとわない。てことだけれども、ちょっとそこにはあまり「義」を感じられない。なんかキャラを強引に作り上げてしまっているように見えてしまう。それもゼットというキャラの過去を、青キジの語りだけで簡略化してしまったせいもある。掘り下げるには時間が足りないのは分かるけど、なんていうか薄っぺらい。実にもったいない。
だった広いはずの新世界の中で、目的の火山から次の火山までがあまりにも短すぎないか。え!? てなってしまいましたよ。
ゼットに敗れた海賊たちの「最強」ってなんだったん?(笑)
ゼットの腹心の部下を二人だけにしたのは正解。スッキリするしゾロとサンジのバトルの見せ場をしっかり作れる。ただその腹心の二人になんの魅力もないのが残念。
12才若返させられた能力が解除されたけど、あれって能力者が負けたから?でも死んでないから自発的?もうちょっと説明描写が欲しかった。
それとどうも釈然としないのが、海軍って捕まえるのが目的じゃなくって、殺すのが目的なの?最後もゼットがまるで殺されたみたいになってるけど、なんか描き方にブレを感じてしまう。あれだけボロボロになって、バトルスマッシャーも失った老兵を、なぶり殺してるみたいで痛い。死=格好良い、ていう厨二病にしか見えなかった。ああいうのはやめてほしい。
総評してとにかくゼットというキャラの魅力にブレを感じ、そのブレのせいで作品そのものも総じてブレてしまっていた。実にもったいなく感じた。