1.《ネタバレ》 この世は迷える森っていうテーマはいいんです。
おとぎ話の主人公がちょっとイヤなヤツだったり愚か者だったりとか、単位時間当たり最高ギャラと思われるオオカミが瞬殺され、最もヒロインらしい風貌のパン屋のおかみがあっけなく消え、第二のアンジーなるかと思われたメリル・ストリープが無残な最期を遂げるという容赦の無さとか、こういうのもきっと計算の上なんだろうなとは思います。
でも残念ながらそれがあまり面白いと思わない。おとぎ話の主人公でも本当は人間くさいのさと言われたって結局この映画はファンタジーなんだもの、リアリティが感じられずキャラクターの気持ち悪さが際立っただけです。
それに、前半と後半の物語が完全に分断されていて、最後の4人組はもはやおとぎ話の登場人物である必然性が無くなってます。
オリジナルはミュージカルだそうなので、物語の不条理性とか強引さはあっても仕方ないとはいえ、ちょっとこれは破たんしすぎていると思うぞ。いくら楽曲が良くてもこれは映画なのだから、脚本にチカラがなければ面白くないのです。