1.テレビゲームに対して完全な門外漢なので、「ファイナルファンタジー」というRPGを一切プレイしたことがない。
30年近くに渡ってシリーズ化されてきた大人気ゲームであることは勿論知っているけれど、描き出される世界観に対しては全く無知である。
そんな者が、シリーズ最新作の発売に合わせて公開されたこの映画化作品を観るべきでは本来ないのかもしれないが、会社の部下(ゲーマー)に猛烈に薦められたため、彼に借りて鑑賞に至った。
こんな機会でもなければ、絶対にチョイスしなかった映画であろうから、これはこれで良い機会だったとは思う。
昨今のテレビゲームのビジュアル的なクオリーティーが「物凄い」ことは認識していたが、いざ観ていると本当に物凄い。
主要キャラのビジュアルに関しては、生身の俳優が演じているのかと見紛うほどで、アニメーションと実写とのビジュアル面での境界線は益々アバウトになってきていると痛感した。
舞台となる都市やアクション描写のビジュアルは言わずもがな。圧倒的なクオリティーで展開される映像的な物量は、「ロード・オブ・ザ・リング」や「トランスフォーマー」などハリウッドの超大作と比較しても引けを取らない迫力をクリエイト出来ていたと思う。
物語としては、どうやらゲームソフトの最新作「FINAL FANTASY XV」本編の前日譚を描いているらしく、本編主人公の父王を軸としたファンタジーアクションが繰り広げられる。
ストーリー展開は決して目新しくはなく、数多のファンタジー映画の二番煎じ感は強く感じる。まあしかし、ベタな王道的展開と捉えれば許容範囲といったところか。
エンディングロール後に、ゲーム本編の主人公らが登場し、今まさに新たな冒険に踏み出そうとしている様が映し出される。
門外漢の僕ですらまんまと「ゲームをプレイしてみたいな」と思わせた時点で、この映画作品の役割は充分に果たせているのだろう。