1.《ネタバレ》 ややコンセプトが見えづらいタイトルだと思えましたが、個人的にはたぶんコメディ、それもごくローコストな方のヤツかな…と思って観始めました。しかし観終わってみると、思ったよりも更にジュブナイルな感じではあったもののお話としてはごくマジメな方の青春映画で、かつ(私が予想していた様な)ローコスト映画というワケでも全くない、かなりしっかりとつくられた作品でしたですね。重ねて、根本的には主人公の女の子の「成長」を描くシンプルな青春映画ですが、同時に演出テクニックや表現技法として少しファンタジックで非現実感を醸す様なモノが多々取り込まれている、という作品ですかね(その意味でも、フツーの日常的青春映画よりは少~し手が込んでいる…という感じかと)。
ただ、個人的にはイマイチしっくり来ない…とゆーか率直に乗れませんでした。一言でゆーとどーにもパッチワーク的…とゆーか、諸々と少しボヤっとしている・焦点が絞り切れていない様に感じられてしまったのですね。主人公からして、一番メインな「子役から女優に成る」というお話…のみならず、亡くなった母と娘の話だとか「自我の統合」の話だとか描くべき様々なキャラを背負わされているのですし、で助演の松井玲奈とか同級生の生徒会長のコとかにもしっかりお話が在るのですし、その上で前述どおり演出の方でも日常とファンタジック・非現実を行ったり来たり…(+ミュージカルシーンだってチョコチョコと割り込んでも来るし…)となると、流石にちょっと「忙しない」と感じたのが正直なトコロですね(≒盛り込み過ぎ)。オペラを観慣れた身からすると、その表現技法の方にある種の「制約=縛り」をかけるのならば、ソレによって描くべき物語やキャラの方は(トレードオフ的に)多少シンプルにした方が無難かな…とも思いますかね。