2.《ネタバレ》 前作に比べると、ずいぶんとSF色が強くなり、ホラー要素が弱くなってしまいました。
ホラー要素を損なってしまった最大の要因は、全体像を見せてしまったことでしょう。この映画の良さは、地獄?への扉が開いても、その地獄の奥行きは決して見せなかったところにあります。地獄の先は見えない、・・・が、目と鼻の先に地獄は確実に存在するということは認識できる状況、ここに恐怖心を煽られるのです。
未知なるものへの恐怖。いったん扉を開けてしまうと、もう抗うすべはないという絶望感。逃げ道はないという閉塞感。この2作目では、そのすべてを取り払ってしまって、もともとあった1作目の良さを損なってしまい、ただのよくあるスプラッター映画になりさがってしまいました。
また、魔導士(セノバイト)達も、1作目では不可侵の存在であったのに、2作目では早くも手の届く存在に。せっかくあった神秘性がなくなってしまい、彼らから発せられる恐怖や圧力というものが随分と色褪せてしまいました。挙句の果てには「よし、ファイトだ。」で戦い始めるし。
ホラー映画として面白い映画ではあると思いますが、ヘルレイザーに求めていたものはあまり見られませんでした。そこがただただ残念です。