4.《ネタバレ》 「北の国から」の長い歴史を締めくくる完結編。放送当時見逃していて10年経った今頃になってようやく鑑賞。最後ということを意識してか、涼子先生(原田美枝子)の久々の再登場などどこか同窓会的雰囲気も漂わせる作品になっていて懐かしい気持ちにさせられるが、ドラマは結(内田有紀)の義父を演じる唐十郎がほとんど持って行ってしまった感じで、悪くはないが、あまり完結編という感じのしないものになってしまった印象。前半の雪子(竹下景子)の息子の携帯メールのエピソードはいらなかった気がするし、脚本がどこか散漫に感じる。そんな中、やはり、奥さんのガンのことを中畑(地井武男)が五郎(田中邦衛)に話すシーン、撮影当時本当に奥さんをガンで亡くしたばかりだったという地井武男の演技はリアルすぎて見ていてつらく、演技ではないことは想像に難くないし、思わず心中を察する。本放送前は五郎が死ぬのではと思わせるような宣伝だったように記憶しているが、そうはならなかったのが救いで、中畑の奥さん死んでて、同じ話で五郎まで死んだのでは作品が陰湿すぎるものになってしまうため、これで良かったと思う。これでこのシリーズはすべて見終わったことになるが、だからこそエンドロールで今までかかわったキャストやスタッフの名前がどっと出てくるのは感慨深いものがある。最後にこのシリーズを脇で支え、今年亡くなった地井武男と大滝秀治のご冥福を祈りながら、このレビューをしめたいと思う。