1.いやぁ、評判通り、ストーリー的にはなんてことのない作品。
また、同時に、期待していた通りの素晴らしい映像美だった。
舞台は、返還前の香港。1997年。
ちょうどその頃、私も卒業旅行で香港を訪れていた。
啓徳空港から飛行機が離着陸し、ビルすれすれに飛行機が飛ぶ。
そういった光景が映画の中に出てくるが、これも実際に見たことのある風景だ。
ちなみに、啓徳空港はその後、取り壊され、現在は存在しない。
返還前の香港の、「古き良き風景」の一つだ。
香港が中国へ返還されていく際の、人々の不安と期待が、クリストファー・ドイルの映像と共に、たんたんと描かれている。
映画レビューサイトで誰かが記していたが、「プロモーションビデオを長編にした様な映画」だった。
又、「シアターブルック」というバンドの曲が、かなりの頻度で流れるので、「シアターブルック」ファンには楽しめる映画だと思われる。
ストーリー性が薄いのもあるし、「返還前の香港」に特別な思い入れの無い人にとっては退屈な映画だろう。
しかし、主演の浅野忠信はもちろんだが、その相手役を演じた、緒川たまきという女優さんがなかなか良かった。
クリストファー・ドイルの撮り方が上手かったのもあると思うが、とても魅力的に映っていた。
手足が長く、スレンダーで抜群なプロポーションが印象的だった。