4.ピカソ(ピカソに限らず)がどんな人だったかなんてことを映画に求めていない。だから私と伝記映画は相性が悪い。この作品はピカソがどんな人であったかということを、彼の作品ではなく彼と関係のあった女から紐解いてゆく。男女の織り成すドラマをメインにするところがアイヴォリー監督らしいとも言える。ドラマ自体はピカソではなくフランソワーズのドラマと言っていい。この部分は個人的に好感が持てるのだが一般的にはおそらくピカソを主人公にした作品のほうが好評を得やすいと思う。しかし、どっちにしろ誰もがその名を知るピカソである。フランソワーズを主役にしたところでやっぱりピカソはこんな人ってところに行き着いてしまう。興収を気にしない映画など無いのだから仕方がないのだが、ピカソを無視して男女のドラマが描かれていればもっと面白くなると思う。じゃなきゃ、いっそ監督と脚本変更でピカソとピカソの作品に寄ったものにするか。