1.《ネタバレ》 ここまで理想主義だとちょっと怖いです・・
キャプラ監督は共産主義で理想家であると言われますが、
政治ドラマや家族ドラマではなく今回は超娯楽冒険ミステリー。
でも実は本当に描きたかった作品がこれだったのかも・・
インディジョーンズのノリで軽く観てたら実は壮大なる世界平和のお話だった。
これは冒険サスペンスとして見る分には面白いけれど、
壮大な社会風刺映画としてみるとどうかなぁ・・
この作品はしかし後々のあらゆる映画に影響を与えています。
最近見た「復活の日」のラストがまんま思い出されるエンディング。
もはや聖書の世界というのはいつの時代の映画からでも登場する。
聖書の世界を使うということはそれだけ作品を高められるんですが、
いつどこにそして内容もさることながら難しい。
そしていつのまにかシャングリ・ラという世界は、
シンドバッドシリーズからインディジョーンズ魔宮の伝説へと継がれる冒険モノ。
この作品は冒険ものと社会風刺と聖書の世界をミックスした、
キャプラ監督にしては真面目に作られた娯楽作です。
そこが問題なのですが・・
キャプラ監督は固い真面目な内容のシリアスな作品でも、
笑い泣きのようなこっけいで人情あふれる作品を作ってきた。
私はそういう世界の方が好きなのですが・・
しかしどの監督も映像を表現する自由と権利がある。
いつまでもご近所の人情話や法廷劇を撮りたくはない。
いつかはこういった撮りたい作品を撮るのでしょう。