1.《ネタバレ》 ここは地獄の画塾!東京藝大の為に青春を燃やす若人たちがあらゆる感情を込めて作品に打ち込む!…が、上手く行かない日々!
何も無い田舎で先生も実用的な事は何も言わない、ただただ「東京に俺たちも住んでいればもっと上手く行くはずなのに…」と自分たちの環境を怨みつつ制作に打ち込む毎日!未来が見えない重い空気!玉石混合の才能と感情が入り交じるまさに地獄!…正直僕はこの先に起る愉快な粘土地獄より、この地獄の方がだいぶキツいしホラーである。
そんな最悪の地獄を盛り上げるために狂った芸術家の成れの果てがこれでもかと暴れ回るんですが、結構粘土のバケモノというのが新鮮でフィジカルな物理攻撃が効かないのもあってなかなか強いです。更に弱点も炎と明確なのも嬉しい。
更にここの画塾の人たちめちゃくちゃ粘土に対して頑張って戦うんですよね。ここはホラーというよりさながらモンスターバトルな展開がGOODです。
そして恐怖演出はチープではありますがクレイアートっぽい演出が楽しく不気味で、手作り感満載の粘土の粉が体内に入って行くシーンにはちょっと感動しました。
更に話の後半は挿入歌が入る事でだいぶ作中の雰囲気が変わるのも面白い所。特に回想シーンで芸術家のとてつもなく楽しそうな様子が微笑ましいです。このシーン好きです。
そしてラスト、憧れていた東京に対して「そもそも貴様が全部悪いんじゃ!」と唾を吐く、逆恨みMAXでスケールの大きいテロリズムなオチも最高です。まるで冒頭の地獄が嘘のような爽やかさ!
全体的にチープな作りの作品ですが、粘土のモンスターというアイディアの面白さとアツいバトル、そしてとんでもない方向に向かって行く破滅的ラストなど80分と短い尺の中にコンパクトにまとめられているので飽きずに最後まで楽しむ事が出来ました。