11.1980年代、同時期に製作された本作や「プラトーン」。
実際にベトナム戦争を経験した人達が製作に関わりベトナムの戦場をリアルに伝えようとする映画が相次いで誕生した。
「プラトーン」にはチャーリー・シーン演じる新兵という主役がいて、彼の2人の上官を中心に、
内部分裂していく小隊を構成する登場人物のキャラクターがしっかり描き分けられた作品となっていました。
一方本作には「プラトーン」のように確たる主役は存在せず、部隊を構成する面々のキャラクターも弱く、
そういう意味では、映画としては「プラトーン」の方が優れていたのかもしれません。
しかし、元々本作にはそういう気すらなかったのかもしれません。
ベトナム戦争の悲惨な戦場を戦った全ての名も無き兵士たちが本作の主人公だったのでしょう。
ベトナムの戦場はこんなだったのだ。全ての名も無き兵士たちはこんな思いを抱えて戦っていたのだ。
それがよりガツンと伝わってくる映画ではありました。