4.この映画のクラウディア・カルディナーレ、約85%強、怒髪天顔か不機嫌顔のどちらかをされとります。ただでさえ眼力(めぢから)が異様に強く野性味が勝る彼女、横に居たら絶対怖いです。ついうっかり、柔肌に指でも触れようものなら、生け獲られて骨までガシガシ喰われてしまいそう。しかし画面で観る分には紛れもなく美しい。怒り顔だと、より魅力的になる女優さんって他に誰がいたかなぁ・・・?デビュー当時の薬師丸ひろ子とか、ヴィヴィアン・リーとか。とにかく、ほぼ全編不機嫌顔の彼女の美貌を冴えたモノクロ映像で堪能出来ます。私の中では世界名作文学全集映画化御用達イメージが強いヴィスコンティ監督、フィルモグラフィー唯一のミステリー映画との事で、ワクワクしながら鑑賞しました。ミステリーという点では少々疑問符がつくオハナシですが、フツーに面白かったです。テーマが不道徳という事が、長らく未公開だった理由かと思われます。ヒロインを囲む三人の男は、それぞれタイプが異なるイケメンさんばかり。その辺りも含め、ヴィスコンティ監督の御趣味の良さをじっくり味わいましょう。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 6点(2022-08-16 21:24:03) |
3.《ネタバレ》 カルディナーレが、綺麗で素敵な映画。ラストの突風が突然に木立を揺らすシーンが印象的。どうやって撮ったのだろう。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-01-01 12:23:21) |
2.《ネタバレ》 観終わってみると、名家の没落後を描いたものだし、家族の崩壊が描かれてもいるし、たしかにヴィスコンティの映画なのだが、なんか毛色が違う。モノクロだからか?それとも音楽のせい?妻の実家に到着するまでの洗練された明るくモダンな作風とその後の妖しく暗い展開のアンバランスさは狙ってのものだろうが、正直、思ってたのと違うといった拒否反応みたいなものを少し感じた。大きな屋敷はヴィスコンティ映画らしい絢爛豪華さは皆無でむしろ「没落後」なんだとはっきり解からせるかのように寂しい雰囲気で被われている。そしてモノクロの黒が触れられたくない過去の遺物を包むように全編を被う。物語は姉弟の再会シーンの妖しすぎる抱擁にただならぬ関係を露呈させながらも、亡き父を、そして亡き父がいた生活を愛するがゆえの母への憎悪という、物語の根底ともいえるキーワードによって真相と行く末を混乱させてゆく。この混乱がドキドキワクワクといったものではなくイライラに近いものなのだが、ヴィスコンティお得意のズームアップが、ここー!ここよー!!この表情を見て!!ここ大事よー!!!といちいち合図してくれるので、停滞ぎみの物語から離れようとするたびに引き戻されてしまい、いつのまにかえらいこっちゃな結末へとなだれ込む。これも狙い通りなのだろうか。あと、このクラウディア・カルディナーレはどうも美しくない。あきらかに目元に過剰なメイクがなされていて、ゆえに何か意味があるのだろうが、やりすぎのような・・。 【R&A】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-09-18 16:29:42) |
1.《ネタバレ》 ヒロインはなんとも妖艶で、そりゃあ関係も疑われるだろうし、何があっても不思議じゃありません。結局のところ色々な謎は謎のままで、どれが真実なのかはぼかしまくり。これだけひとつとしてはっきり解明されないままなのに、そういったところに妙に不満が残らないのは、やはり映画として優れているからなんでしょう。オープニング付近の婚約者と二人で実家を訪れるまでの道のりを車の後ろからずっとフォローする長回しは見ごたえがありました。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-25 21:49:47) |