8.《ネタバレ》 ‶自分は仕事がデキる奴”とのプライド高い男がほんのはずみで生活を狂わせてしまう。新たに赴任してきたソリの合わない男のせいでもあり、その肉感的な女房のせいでもあり。や、本当は誰のせいでもなくて自己の心の問題でこうなったんだけどね。
役者らがリアルな人間造形に巧いので、よくある一人の男のちょっとした人生のつまづき物語が肌感覚が近く観られます。
キューザックがビリー・ボブに向ける複雑な対抗心。なんとなく畏れも抱いている心の内が表情にも滲みます。夫に浮気をバラしてドヤっているバカ女が若きアンジェリーナ・ジョリー、コミカルな演技もちゃんとできます的な今や大御所ケイト・ブランシェットもしっかりと脇を固めます。
航空管制官という特殊な職業事情も興味深かった。メンタルをやられて一旦退いた同僚が「どの段階まで復帰できるか」を賭けるという、一見身も蓋もない明るさがストレスフルな環境に対抗する術なのだろうなと思いました。凄い仕事だなあ尊敬します。