8.《ネタバレ》 出だしはライトタッチのコメディかなと思ったが、本格的なヒューマンドラマに仕上がっていた。
レズビアンの売れない歌手、エイズに侵されている堅物のキャリアウーマン、暴力男の子供を身ごもっている恋多き女。
それぞれに問題を抱えた三人が、諍いを起こしながらも助け合っていく女の友情物語。
といっても同性愛もからんでいるので純粋な女の友情とは違うかも。
セリフやシーンの随所にウィットが感じられて魅せてくれる。
ロビンがジェーンに借りたヘッドホンをウェットティッシュで綺麗にしていたのは、決して嫌悪感や黒人への偏見ではなく、エイズの負い目と気遣いによる潔癖症を表わす伏線だった。
どこにも行くところがないと嘆くロビンに、それなら今いる場所に居ればいいと抱きしめるジェーン。
ロビンに対する母やジェーンの言葉は、優しさにあふれて癒しの力がある。
「もし私がウソを言ってたら不治の病で死んでもかまわない」
そう言って裁判でウソの証言をするロビンにも、自分の運命への諦観と二人への思いやりがあふれている。
赤ちゃんの誕生の一方で、エイズで死にゆく者がいる。
暗くなっても仕方のない重いテーマなのに、バカっぽくて行動の軽いホリーとバカみたいに真っ直ぐな警官エイブのカップルがいい感じで緊張緩和の役割。
生まれた子供が黒人とのハーフだったときのリアクションは笑える。
胸も露にホリーを演じているのが『E.T.』の子役ドリュー・バリモアだったとは、子供の成長の早いことに軽い衝撃。
パーティの様子をカメラが一周して誰もいなくなった部屋の空の車椅子を映すラストがいい。
三人が互いに影響しあって、価値観や生き方が微妙に変化しているのが巧みに描かれている。
タイトル通りに男は添え物でメインは女、明らかに男性より女性向きの内容だ。