1.その映画の中で何かを延々とやり続けているというのはジョニー・トー映画の特徴でもあろうかと思うんだけど、その延々となされているものが銃撃戦であればそりゃもう興奮するしかない。と思ったら興奮はさほど感じない。あれだけ至近距離であれだけ銃弾の雨あられの中堂々と歩いてる、で当たらないってのもあるかもしれないけど、無表情、あるいは表情がとらえきれない距離で見せる長い市街戦シーンは単なるシーンを越えてそれ自体が映画になってるというか、もう銃撃戦そのものがドラマというか。ビル内での攻防の見せ方も実に工夫が凝らしてあって分割映像の部分はかなりうまいと思った。途中から唐突に謎の二人組が登場するのだが、こっちのリーダーとあっちのリーダーが最後に見せてくれる男の美学は間違いなくメルヴィルから受け継いだものであってなかなかにしびれさせてくれるのだが、そうなると実は映画のストーリー上のメインとなってる警察側の社会風刺的且つ安易な意表突きドラマなんぞは無駄以外のなにものでもないと思うのだが。