5.《ネタバレ》 暴力による争いは社会からはこれからも消えない、と提言しつつ、世代交代を告げて「完」の文字。
これはこれでそれなりのまとめ方だが、果たして本作が必要あったか?
そこは少し疑問が残る。
前作の雪の降るシーンが良かっただけに、前作でシリーズ完とした方がしまりが良かった気もする。
それはそれとして、シリーズ全体として総括すると、結局、暴力や組織による搾取という社会の害悪はなくすことができないということだ。
世代が代わっても、それは脈々と引き継がれていく。
それが世のならわしなのだ、と。
ストーリーや登場人物はとめどもなく、一見エンドレスでまとまりのない内容かと感じるが、まさに本作の訴えたいことは、その終り無き戦いである。
終りなき暴力、闘争、覇権争い。
そういったことを本シリーズは的確に訴えている。
そういう意味で、本シリーズは単なる娯楽作品ではなく、社会派的な主張をも感じる、筋の一本通った作品だと言えるではなかろうか。