17.《ネタバレ》 黒澤明監督の作品にはまったく期待していなかったが、みごとに予想を覆された。傑作。
もともと本でも短編小説が好みなので、8話形式というカタチがとても良かった。
最初と2番目の話で幻想的なテーマをもってきて、後半は原発や環境破壊などのメッセージをもってくる流れも素晴らしい。
そして最終話で桃源郷のような場所で華やかな葬式を行うという構成の巧みさ。
印象的なのは映像美で、日本の伝統もしっかり入っていて、さすがに世界のクロサワだと見直した。
一番のお気に入りは、やっぱりゴッホのエピソードかな。寺尾聡が全体的に良い味を出している。
【2023.6再鑑賞】8点→6点
ひとつひとつのテーマが尻切れトンボのようで、えっこれで終わりとなる展開が多い。
初めの「狐の嫁入り」が典型。ここからどうなるか、が腕の見せどころなのだけど。
全部夢落ちなので、アリといえばアリ。でも消化不良。
その点、第2話「桃畑」は小気味良い終わり方で、いちばん良かった。
第8話「水車のある村」は、昔はこんな風景に憧れたが、さすがに演出が過ぎると感じた。