1.《ネタバレ》 三島さんの自決については自分自身、どう解釈すれば良いのか図りかねるところがあったのだが、本作を見てその疑問がある程度晴れてきたかなと思う。この作品を見る限りでは、三島さんが楯の会を結成するも、その会のメンバー、特に森田君に背中押されるような感じで行動に移してるような、そういう印象でしたね。彼らの若さにひっぱられた、みたいな。そして、自衛隊が動くのを4年間待っていたのに結局は警察が彼らにとって代わり、憲法改正のチャンスも過ぎ去ってしまった。それに対する抗議の自決、という流れ。そういう経緯が淡々と描かれていて、興味深かったのですが、下の方も書かれているように、文学者としての彼の一面は全く描かれていない。あくまでも活動家に絞ってるわけですね。だから、自決の真相として、彼自身のナルシシズムだとか、自死への憧れみたいなものとか、そういうような面のアプローチは全然ないわけです。あくまでも活動家としての彼にクローズアップしたのだということを、最初から認識してみるべきなのかもしれません。東大生との論争や、防衛庁での演説シーン、そして自決シーンなど、なかなか力のある映像に仕上がっていたと思います。低予算だからか、現代っぽい背景がちらちら見えたりするのですが、まぁそれは仕方ないかなと。井浦新は彼なりに熱演してたと思うが、三島さんの独特なオーラを出すほどには至ってない。意外に良かったのは森田君役を演じてた人。彼はなかなかの熱演だった。