1.《ネタバレ》 銀座で鮨店を営む二郎さん。
彼はミシュランの三ツ星シェフだ。
寿司屋さんとして見ると、最低三万円からという
値段以外はいたって普通のお店に見えるけど、
ミシュラン三ツ星のお店として見ると、
かなり独特なんだろうなと思う。
なんたって、四角い器に握ったお寿司が一貫だけ
乗せられて、それをお客さんは黙々と食べるだけという、
それも早ければ15分で食べ終わっちゃうっていう。
確かに寿司は昔はファーストフードという認識
だったと思うけど、世界の三ツ星レストランと比較すると
その「シンプル」さが実に特異に感じる。
で、究極的にシンプルなのに、食べると
「なぜこんなにも奥深いのか」と驚かれるそうな。
映画を見ると、お弟子さんの大変さ、そしてその大変さを
ずっと何年も続けてようやく二郎さんに認めて
もらえるものが作れるっていう、まさに職人の世界が
見て取れる。でも二郎さんも自分が完璧だと思ってなくて、
どうすればもっと美味しくなるかってそればかり考えてる。
そういう熱心でシビアな職人の世界が、
シンプルな中にも奥深さを感じる寿司に
繋がっているのかなと思う。