1.《ネタバレ》 シリーズ第2作。飛車角(鶴田浩二)が刑期を終えて出所するところから始まっていて、前作のラストが素晴らしかっただけに抵抗を感じるものの、決してつまらない続編というわけではなく、前作には及ばないものの、そこそこ面白かった。今回新たに長門裕之が登場しているが、彼が出るだけでマキノ雅弘監督の映画のような感じを受けてしまうのは気のせいか。(前作に続いて沢島忠監督が手掛けているのだが。)今回も前作と同じくメロドラマ色が強く、飛車角がおとよ(佐久間良子)を追って満州へ行く展開などにそれは表れているように思う。しかし、今回は佐久間良子がおとよに加えてもう一人、東野英治郎演じる親分の娘 お澄を演じていて、おとよが病死したあと、飛車角がその親分から縁談を薦められていたお澄と結婚するという展開は分からなくはないものの、見ていてなにか飛車角におとよへの未練がましさを少し感じてしまった。前作で宮川を演じていた高倉健が別の役で再登場とかはなかったのは良かったと思う。飛車角は周囲から「角さん」と呼ばれていて、東野英治郎演じる親分からもそう呼ばれているのだが、やはり、西村晃が出演していた永島敏行版同様につい「水戸黄門」を思い浮べてしまう。飛車角が裏切った仲間に殺されるラストシーンはヤクザ社会の非情さを物語っていてもの悲しかった。でも、面白いのは確かだが、やはり、前作が良すぎたせいか、蛇足とまではいかないものの、物足りなさも残って、前作のほうが良かったという感想をどうしても持ってしまう。