5.《ネタバレ》 親ひとり子ひとり。タクシー運転手と乗客の、一期一会のほのぼのした映画…と思いきや韓国の黒歴史の映画でした。
光州事件。この映画を見るまで知らなかった。
1980年といえば割と最近の出来事、8年後にオリンピックをやる国で、同じ民族に銃を向ける事件があったなんて…
政治に無関心なキム。大金のために人の仕事を横取りとか、面倒に巻き込まれたくないからUターンとか結構酷い。
当時の10万ウォンは37万円くらいらしい。こりゃ大金だけど、命をかける金額かというと…
危険には目を瞑って光州に行くキム。ソウルから光州まで270kmくらいだって。結構な距離だな。
緑のコロコロしたタクシーが可愛い。小さいなぁ、Nワゴンの方がデカイんじゃないかな?60万kmも頑張ってるのが良いね。
でもあの車でソウル→光州270kmはキツイ。
光州の町並みは、荒廃して無人で不気味だけど、どこか懐かしさが感じられる。日本で'80の町並み再現の大変さを考えると、CGなのかな?よく出来ている。
光州の人が良い人ばっかり。おにぎりくれたり、タクシー直してくれたり、泊めてくれたり。こういう細かい描写から、キムとピーターが感じる事件の怖さと軍に対する怒り、同胞が傷つけられる悲しさが伝わってくる。
殴る蹴るの暴力が、人に銃口を向けるまでに発展。キムと光州のタクシー運転手たちが、自分に出来ることを命掛けで行うのは観ていて辛い。あんな緑のコロコロした小さい車で、軍のライフル銃を防げるとは思えない。ファンさんは無事だったんだろうか?
でも無事帰れて、無事ウンジョンに会えてよかった。大家さんも娘に優しくしてくれてよかった。
最後にピーター本人が出てきて、この物語もある程度実話をベースにしていることが解った。
でもなんで、偽名使ったのかな。保身のため…かなぁ?信頼は海を超えられなかったか?(※解決済み)
カーチェイスはともかく、東京のホテルで提供されるサッポロラガーのラベルが当時の楕円形のものなのが再現度高い。