1.《ネタバレ》 ラブコメってジャンルは、とかく「お約束」な魅力を求められるものです。
本作に関してもそれは例外じゃないとばかりに、全編に亘って「お約束」な展開が続いていく訳ですが……
最後に「主人公とヒロインが結ばれる」って「お約束」を達成し、そこでスパっと終わっちゃうという潔さが、物足りなく思えちゃいましたね。
この流れなら「ついでに喧嘩してた上司カップルも復縁する」っていう「お約束」な後日談も付け足すべきだと思うんだけど、それが無い。
これにはもう、本当ガッカリです。
ラブコメ映画に求めていた「お約束」が与えられず終わった場合、こんなにも物足りない気持ちになるのかって、吃驚しちゃったくらい。
そんな訳で、自分にとっては「ラストが微妙」という、明確な欠点がある映画なんだけど……
途中までは本当に良く出来てるんですよね、これ。
特に序盤の、主人公二人の出会い方が秀逸。
夜中の「ピクルスの奪い合い」だけで(この二人はお似合いだ)(結ばれて欲しいな)って思わせるような魅力があったんだから、お見事です。
「球場でのキスカムでキスさせる作戦」「避難梯子で運んだピザ」のエピソードも良かったし、上司カップルだけでなく、主人公カップルの魅力も、しっかり描けてたと思いますね。
あえて言うなら、男側のチャーリーは「自分より立場が弱いインターンには横暴に接する」などの場面があり、あんまり良い奴とは思えなかったんですが……
それに関しては終盤にて「キミに釣り合う為に俺は変わろうとしてる」「頑張るよ」と伝える場面に自然に繋がってるし、全体の流れを考えれば、良い奴にし過ぎないバランスが正解だったんでしょうね。
ヒロインとなるハーパーの眼鏡姿もキュートであり「店でチップスをタダ食い」などの迷惑行為をしていても、どうにも憎めない。
これまで色んなラブコメ映画を観てきましたが、可愛さって意味においては、本作のハーパーは相当上位に食い込むと思います。
こうして振り返ってみると、本当に「好きな場面」の多い映画だなって、しみじみ感じちゃいますね。
これでラストさえ綺麗に終わってくれてたら「好きな映画」と、全体を指して言えたはずなのに、本当に惜しい。
キスする主人公達を見守る上司カップルが、お互い気まずそうに視線を交わし、復縁を予感させる……
そんな数秒間がラストに追加されていたらなと、恨めしく思えてしまう一本でした。