2.《ネタバレ》 天才ハッカー「ゼロ・クール」ことデイド・マーフィー(ジョニー・リー・ミラー)が、11歳?くらいのときに企業のパソコンにウイルスをばらまいてウォール街を混乱させたという導入が見事にはまっています。
残念だったのは、そのハッキングやクラッキングの腕がその後のストーリーでは、主にいたずらでしか発揮されなかったことです。いや、一流の技をつかい、せこいことをするのは大好きなんです。それはそれで面白いのです。ただ肝心の、巨悪を倒すためのラストのシークエンスで、思いの外彼の存在感が薄かったことに物足りなさを感じちゃうのです。他の仲間のハッカー達とあまり差が感じられないんですよねー。「ゼロ・クール」ならではの特別感が、もう一押し欲しかったところです。
ただ素人にはわかりづらいネット世界での攻防戦を、ヴィジュアルを立体的に描くことでわかりやすく、面白く伝えようとした工夫は本当に素晴らしかったと思います。それに、世界中のハッカー達のウィルス総攻撃は他の映画じゃなかなか見られないマニアックな迫力があってかなり良かったです。
今何がどうなっているのか、わかりにくかった部分は多少ありましたが、それを踏まえても多くの人の鑑賞に堪えうる良作娯楽サスペンスに仕上がっていますね。「ま、見ても損はないかな。」って言葉がぴったりの作品です。