1.《ネタバレ》 「すいません。山を一つ間違えました。あなただって間違うことあるでしょ?」という台詞を聞いて、このタイトルにした理由がわかりました。
ここまで徹底した不条理劇もそうお目にかかれず、なかなか面白い。
最初は、訳もわからずイタ電かかってきたり監視されたりと、主人公と同じ気持ちで不安になったりイライラしたりしていたのが、冒頭の1人の女性が亡くなったことと結びついてから徐々に面白くなってくるという、観る側を主人公に感情移入させる演出が上手く、また、晩年のヒッチコックのような車のサイドミラーに相手の顔が映っているというサスペンスな演出も、なかなか見ていて面白い。
しかし、夜の街を歩いていると後ろから車が突っ込んできたり、物音がする方を見たら犬が生ゴミを漁っていたりとか、脅し(フェイントというべきか)が多すぎて拍子抜けしてしまうシーンが多かったのがちょっとクサイかなぁと。一連のこういうシーンを見ると、やっぱりこの監督は二流なのかなぁなどと考えてしまうんですよね~。ここが大きな減点ポイント。
執拗なまでの砂漠の放蕩シーンは最初だけは見ていて面白く感じられるのだけど、2回目以降はもうイイやという感じで、おなかいっぱいになりそう。初めて観た時は、これから先どうなるんだろうといった好奇心のようなものは確かにありましたが、恐怖感とかは特になかったです。