フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白

[フォッグオブフォーマクナマラモトベイコクチョウカンノコクハク]
The Fog of War: Eleven Lessons from the Life of Robert S. McNamara
2004年上映時間:106分
平均点:6.46 / 10(Review 13人) (点数分布表示)
公開開始日(2004-09-11)
ドキュメンタリー
新規登録(2004-06-12)【ヴァッハ】さん
タイトル情報更新(2008-09-01)【+】さん
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監督エロール・モリス
エロール・モリスインタビュー(ノンクレジット)
出演ロバート・マクナマラ
音楽フィリップ・グラス
製作エロール・モリス
製作総指揮ジョン・スロス
配給ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
その他キャロライン・カプラン(very special thanks)
ジョナサン・セリング(very special thanks)
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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6.《ネタバレ》 ロバート・マクナマラといえばベトナム戦争を象徴するような人、たしか当時は「冷酷漢」「ファシスト」などさんざんな言われようでしたが、こうやって老いた姿を見ると意外なほど誠実で知的な人物のように見えます。彼の最大の功績(?)は戦争の運営に経営的な手法を導入したことでしょう。「戦争みたいな重要なことは軍人には任せられない」という名言を残したのはたしかクレマンソーだったと記憶していますが、その戦争をフォードの社長に指揮させたのはすごいことです(もっともケネディに請われて国防長官に就任した時点ではまだベトナムはアメリカの戦争とは言えない段階でしたが)。 前半はなんだか自らのサクセスストーリーを語っているだけという印象しかありません。それでもその中にも見逃せないポイントはあります。マクナマラは大戦中あのカーチス・ルメイの幕僚だったんです。口には出しませんでしたが、マクナマラはルメイの冷酷な戦争運営から絶対に影響を受けていますね。「彼は狂人だった」とまで酷評する部下までいるルメイを、さすがに好意的に語ってはいませんが決して否定していないところからも推測できます。ベトナム戦争についてはもう自己弁護のオンパレードです。彼の弁明で腹が立ったのは、東京大空襲やベトナムでの枯葉剤作戦について「一晩で民間人10万人を焼き殺してはいけないと規定している戦争法規は存在しない」「枯葉剤を散布することは戦争法規で禁止されていない」とシレッと開き直ったことで、「もしそういうことが法律的に禁止されていたなら、私は決して実行しなかった」とまですました顔で言うんですから、もう開いた口がふさがりません。観ている最中から「マクナマラとアイヒマンはどこが違うんだろう?」と真剣に悩んでしまいました。 この映画は“マクナマラが語る11の教訓”という構成になっていますが、この中で彼は面白いことを言っています。曰く「都合の悪い質問は無視する」。つまりこの映画の中でも彼は不都合な質問には沈黙していたわけで、それを許してしまった監督は厳しく言えば能力不足だったと言わざるを得ません。もし監督かインタヴュアーがマイケル・ムーアかオリヴァー・ストーンだったらと思ったりしましたが、それじゃあきっとマクナマラが拒否したことでしょうね(笑)。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-08-31 22:40:14)
5.映画で触れてるわけではないけど、見ながら「あちらアメリカ」と「こちら日本」の体質の違いにしばしば思いが行った。あちらの合理主義、データを集めて、効率を最大限に高める軍事姿勢。別にルメイが立派だったと思うつもりはさらさらないが、当時の日本の精神主義で凝り固まった軍人と実に対照的。映画ではその効率主義の非人間性に批判的な視線を向けていたが(焼夷弾投下の映像にデータの数字が重ねられる)、精神主義の非人間性も苛烈だったことを我々の歴史はよく知っているし、「戦争で勝つ」というゲームの中では、効率主義のほうが精神主義よりは優れていたわけだ。そういう経験を経たマクナマラが、教訓として「理性は頼りにならない」という条項を挙げているところに、「戦争の霧」の一筋縄ではいかない深さを感じる。それともう一つ「決して、とは決して言うな」。日本の政治家はすぐに「不退転の決意」とか大げさな言葉を乱発し、それを「まさに」とか「しっかり」といった常套副詞で飾り立てる。そして一般社会ではとうていトップには置けないような頭も言葉も軽い人物が、政治家一族で金持ちというだけで総理大臣になれるシステムがある(AとかHとか)。私はアメリカ崇拝者ではないし、このマクナマラの「教え諭す」ような態度は心地よくなかったけど、政治風土の落差は感じざるを得なかった。好き嫌いは別にして何事かをやり遂げた男の顔の厚みはあり、日本の政治家の顔はこれだけの時間のアップに耐えられないだろう。ドキュメンタリーとしては、映像的にはあんまり面白くなく、先に挙げた数字の焼夷弾とか、ドミノ倒し理論のところで実際に地図の上でドミノ倒しをやったり、つまんないことしてる。
なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-26 09:30:05)
4.《ネタバレ》 合理主義的な知性の権化のようなマクナマラ。80歳を越えていても次々と数字をあげながら語るその姿は(微妙な話題のかわし方も含めて)驚異的だ。そのマクナマラがいつかの戦争を経て学んだ教訓とは何か。それは、「理性に頼れない」「善を為すために人間は悪を為す」という人間なるものにつきまとう逆説だった。彼の言うとおり、ヴェトナム戦争とはきわめて複雑な出来事であり、後の結果から誰かに「責任」を求めるのはフェアではないのだと思う。とはいっても、彼は、ある時代のアメリカのあり方(理想と言い換えてもいい)を体現した人物であり、その経験から私たちが学ぶべきものは少なくないはず。彼を「自己弁護」に追いやり、結局は口を閉ざさせてしまうメディアのあり方は少々残念に思う。その意味では、この映画も、結局はそのもっとも肝心な部分を引き出しきれていないように思う。
ころりさんさん [DVD(字幕)] 6点(2010-03-17 15:01:56)
3.マクナマラが太平洋戦争当時、あの東京大空襲を指揮したルメイの直属の部下だった事は初めて知った。「さもありなん。あの上司にしてこの部下あり」正直そう思った。マクナマラはルメイのことを「非常に好戦的」だったと評している。が、日本人を“黄色い猿”程度にしか思わず、一晩で10万人を殺しても平気だったルメイと、ベトナム人の死者を戦争の経営状況を判断する為の“数字データ”としか見なかったマクナマラは、その植民地主義的、西欧帝国主義的な冷酷さに於いて“同じ穴の狢”としか思えない。
トマシーノさん [DVD(字幕)] 6点(2009-08-22 18:50:40)
2.マクナマラ元米国防長官の告白が時事映像とともに延々と続くだけの映画です。内容に関してはさして新しい証言、事実が出てくるわけでもないのに退屈せずには観れました。しかし毒にも薬にもならない映画だし、アカデミー賞を受賞するほどの素晴らしい作品ではないです。フィリップ・グラスの音楽がなければ5点かな。
シュンペーターさん 6点(2004-10-01 19:20:58)
1.《ネタバレ》 類い希な米国の知性が、なぜ引き返せなかったのか。答えは霧の中なのだろう。ただ言えることは、戦争は何も解決しない、ということではないだろうか。淡々としたフィリップ・グラスの音楽が秀逸。
coco2さん 6点(2004-09-03 00:57:14)
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【点数情報】

Review人数 13人
平均点数 6.46点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5215.38%
6646.15%
7215.38%
8323.08%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 Review0人
3 鑑賞後の後味 6.50点 Review2人
4 音楽評価 7.00点 Review2人
5 感泣評価 Review0人
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【アカデミー賞 情報】

2003年 76回
ドキュメンタリー長編賞 受賞 

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