33.《ネタバレ》 なぜ15年監禁されていたか(厳密にはなぜ15年で解放されたか)という謎については「あぁなるほどね」と納得できたわけですが…全体的に暗めで観ていてもつらくあまり楽しい映画ではありません。
つかこの映画(多分原作もそうなんでしょうが)、近親相姦に対して個々人でタブー意識の違いがあるという事に配慮されてない気がします。
近親相姦というものはその性格上から実態調査が非常に難しく、またその難しさをおしてまで調査する社会的な必要性もないためいまだにかなり未解明なジャンルではあるのですが、一応いくつかの研究結果では一般に想像されているよりは相当多く行われている(合意非合意はさておき)事がわかっています。
で、実際に相当数行われているという事は、そもそもそういう行為ににあまり問題を感じない人もそこそこいるはずです。(それこそ不倫とかと同じ事です。問題にする人はするけど、実際問題として世間ではばんばん普通に行われているのはご存知の通り。つまり気にしてない人が相当数いるわけです)
で、もし相手が近親相姦にあまり問題を感じない価値観の持ち主であれば、この映画の復習者側が画策した「知らずに親娘で愛し合わせる」という復讐は、そもそも復讐者側の自己満足にすぎすそもそも復讐として成立しない可能性もかなりあるわけです。 まぁたまたまこの映画では主人公にショックを与えていましたが、もしあの暴露をしたときに「娘とやらされたけどそれで?」くらいの軽いリアクションが返ってきたら、どうなったんでしょうね? その可能性は結構あると思うんですが… 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-04-12 12:18:52) |
32.《ネタバレ》 原作を久し振りに読み返した勢いで、本作も再観賞。
「謎の部屋に十年以上も監禁されていた主人公が、犯人の正体と目的を探ろうとする」という粗筋こそ共通しているものの、基本的には全く別の物語であり、しかも原作も映画版も両方面白いっていうんだから、中々珍しいパターンですよね。 自分としては「犯人の動機が詩的で味わい深い」という理由で原作の方が好みなのですが、映画版も間違い無く快作だと思います。
そもそも「原作の方が好き」という立場の人間としては「この映画が面白いのは原作のお蔭だ」と主張したくなるんですけど、本作の場合、それを言うのはかなり無理がありそうなんですよね。 犯人の人物像や、動機も全然違っているし、何より映画版の方が「憎たらしい悪役」「ショッキングで分かり易い動機」になっている。 多分、原作通りに映画化していたといたら、ここまで大衆受けはしなかったんじゃないでしょうか。 それだけ、この映画のオリジナル部分、独自の部分が優れているって事なんだと思います。
主演のチェ・ミンシクは男臭い魅力があって良かったし、ヒロイン役のカン・ヘジョンも可憐な雰囲気がたまらないしで、キャスティングも絶妙。 その他にも「脱獄が成功しそうな直前に釈放される」というシニカルな脚本、ハンマーを手に大立ち回りを演じる場面での、泥臭いのにスタイリッシュなカメラワークなど「映画版独自の魅力」を感じさせる場面が沢山あったんだから、お見事です。
……ただ、一つだけ。 「犯人の動機については、原作の方が絶対に良かった」っていう事に関してだけは、どうしても譲れそうにないんですよね、自分の場合。 確かに原作の時点で「催眠術を便利に使い過ぎ」とか「犯人のやり方が遠回り過ぎ」とか、色んな欠点があるって事は分かるんです。 それでも、最後に明かされる真相「わたしの人生に《他者》は存在しなかった……」「生涯で、おそらくキミだけが、わたしの”孤独”を……」という悲しい独白には、非常に胸打たれるものがあって、忘れ難い余韻を残してくれるんですね。 自分が久し振りに「オールド・ボーイ」に触れようと思った際、映画版ではなく、原作漫画を先に選んだのも、やはりこの「真相」の差にあるんじゃないかと。
で、以下は映画版に関する文句というか、難癖になってしまうのですが…… 「孤独」ではなく「近親相姦」をテーマにした本作に対しては、抵抗も大きかったりするんですよね。 それは何も「近親相姦はタブーだから、見るのもおぞましい」とか、そんな理由じゃなくて「犯人像を変えた事により、不自然な点が生じている」のが気になっちゃうんです。 まず、原作の場合は「犯人を殺して復讐する事より、真相を知りたい好奇心を優先させてしまう」のも納得なんですが、映画版に関しては、そうじゃない。 なんせ原作の犯人と違って、映画版の犯人は主人公の妻を殺してる訳ですからね。 この時点でもう破綻しているというか「私を殺したら真相は分からず仕舞いだぞ」と原作の犯人同様に挑発してくるイ・ウジンという存在にも、それに従う主人公にも、感情移入出来なくなっちゃうんです。 (いや、真相を知りたい気持ちとか優先させてないで、妻の仇を取れよ)と思えちゃって仕方無い。 また「俺は確かに獣にも劣る人間だが、生きる権利はあるんじゃないか」という台詞が印象的に使われている訳だけど、その台詞を最初に吐いた男を主人公は見殺しにした形なのも気になります。 死者の台詞を剽窃する形で、自分だけは特別と言わんばかりに「生きる権利」を求められても、勝手な奴だなぁとしか思えなかったです。 そんな訳で「映画オリジナルで面白い部分」「原作と違っているがゆえに不満がある部分」が、どちらも強烈な光を放っており、何とも評価が難しい本作品。 面白かったし、観て良かったと思えたのは確かなのですが…… 諸手を挙げて「好きな映画」とは言えない、そんな引っ掛かりの残る一本でした。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 6点(2020-02-06 02:13:32) (良:2票) |
31.《ネタバレ》 筋書きの意外さを楽しむ映画なんだろうけど、謎が解けた後も全くウジンに共感できずに、後味の悪さだけが残る。 なんて身勝手な男。 部下のハン室長も気の毒。 姉のためではなく、自分の鬱憤を晴らすために15年をかけたとしか思えない。 暇人。 ただ、狭い通路で数十人相手に金槌で格闘するシーンは、縦ではなく、横からのカット。これがなかなか見応えあったので、そこに加点。 |
30.サスペンスとしては、おもしろかったと思いますが、気持ちのいい話ではなく、気分が悪くなる作品。 【へまち】さん [インターネット(字幕)] 6点(2019-04-11 22:02:54) |
29.なるほど、物語は良く出来ている(気持ちいいものではないが)。 でも全体を覆う暗い雰囲気を含め、分かりにくい面が多い。 【simple】さん [地上波(吹替)] 6点(2018-10-08 16:26:20) |
28.韓国映画、クオリティ高い!
…と思ったのに、なんだ、原作(日本のコミック)付きか…。いえ、それでも本作品のクオリティは高いですけどね。でも原作が優れていたからこその高さでもありますから。
気になったのは、画面がとにかく汚くてショボいこと。 ダークな演出なのではなく、本当に街もビルも人も内装もすべて汚くてしょぼいのが気になった。クライマックスのペントハウスだって、ビルはせこくて小汚いしエレベーターもオンボロ、ゴージャスを演出するべき内装もかなりショボ臭い。こんなでペントハウスとか言ってくれるなよ~という感じ。 もしかして予算不足?まあ韓国ドラマに出てくる金持ちも常に貧乏ったらしいので、これが韓国の精一杯のゴージャスなのかもしれないが。 でもなぁ、ショボいだけじゃなく、世界も狭いんだよなぁ。 なんというか、描かれている世界が無秩序かつ非常に局地的なかんじ。西部劇のような日本の戦後の混乱期のような、発展途上で野蛮な社会、しかも狭い地域だけでの話になっていて、世界がぜんぜん見えない。50年前の韓国が舞台、と言われたら納得する感じなんだけど、そういったところもしょぼクサさに拍車をかけてしまっている。 復讐に燃えるオ・デス、全然モンスターに見えないし。まだまだ人間臭さを感じさせる2流半ヤクザという感じなのに、多勢に無勢で勝利するとか、説得力がなさすぎる。むしろ群がる無法者たちをもう少し身綺麗にして弱く描けばよかったのかもね。でも、ワンパターンの無法者たちしか描けないんだろうな、と感じさせる監督だね。そこもショボ臭いんだよな。最後に雪山を映してなんとかショボ臭さを消そうとしたのかと思っちゃった。
泥臭いのはいいけど、ショボ臭いのはダメだろう。
日本で映画化したら、ここまでサスペンスフルにはならないだろうけど、近未来的になってショボ臭さは感じさせなかったろうな。と、けなしてばかりですが、なかなか良かったです。みなさん、苦しむために愛し、復讐するために生きるのね。 ハリウッドのリメイク版も観てみたくなりました。 【りりらっち】さん [DVD(吹替)] 6点(2015-01-22 21:02:44) |
27.《ネタバレ》 壮大な復讐。オ・デスは口数が多すぎるんです、という罪か。15年の監禁が復讐だったのではなく、解放の後に復讐が仕組まれてるの。アルバムをめくっていくときのサスペンス。口数が多すぎた罪の罰として、己れの舌を切り取る。復讐者のユ・ジテののっぺり顔が怖い。復讐の正体が映画のキモのすべてで、このねちっこさをすごいと褒め称えるか、きもちわる~いと顔をそらすか、微妙なところだが、こういう遠大な計画そのものの迫力ってのはあるわな。それが善きことであれ悪しきことであれ、真剣なことであれつまらないことであれ、途中で挫けずにやり通していたってことの凄味。けっきょくそこがこの映画の・この犯罪のキモ。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-02-12 10:14:25) |
26.《ネタバレ》 無意味なシーンとか、勢い余っただけのシーンとか、失笑するような演出とかはあちこちにあるんだけど、第1に、「15年経ってから解放したのはなぜか」という魅力的すぎる謎と、その期間に対する必然性。第2に、例のHシーンで、その後の(合い鍵での?)出入りやプレゼント箱、その中の手首なんかが本題と見せかけておいて、実はHシーンそのものが本題だったという、手品のような手口。この2つのインパクトで、作品としては十分成り立っています。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-10-21 02:57:26) |
25.《ネタバレ》 原作既読。原作の骨格をそれなりに活かしつつ、まったく別の作品(韓国映画)として再生しているあたり、さすがに韓国映画はこのあたりが上手である。グロさとラストのありえない展開を受け入れればこの作品は高評価だが、私はあまりの救いのなさにがっかりしてしまった。原作のもつラストの解放感が圧倒的に不足している。明があって初めて暗も映えるのに。。。とても残念。 【リニア】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-07-21 10:56:17) |
24.情報を小出しにしていき、観客を惹きつけて放しません。真相が明らかになってからも、催眠術師を使って自らの記憶を消そうとするところが切ないですね。ただ「催眠術」は‥‥、という感じです。そこでちょっと評価は厳しくなってしまいます。とはいえ独特の色彩感覚やカット割りが光ってかなり面白かったです。タランティーノが絶賛するのも分かりますね。この韓国でしか撮れないと思わせる独特さは何なんだろう。監督の力量ですかね。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-11-22 00:45:49) |
|
23.《ネタバレ》 復讐3部作といわれてる中で一番最初に見たのがこれだった。 3部作とか全く知らんかったが。 動機が、たかがそんなことで、って思うがだからこその狂気なのか。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-09-28 14:03:33) |
22.重い。この重厚さがいい。この世界には脚本の不可解さをカバーする力強さがある。アクション要素に、原作=コミックをリスペクトしている箇所が多く見受けられるのも好感が持てます。ビルのワンカット格闘シーンは本当にすばらしい。 【460】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-05-05 12:09:46) |
21.ちょっと、微妙な感じ。面白くはありますが、漫画のような作りにいささかげんなりします。なぜ?の理由は想像できる範囲でした。もっと上手に映画が作れたんではないかと思える、惜しい作品。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-01-30 22:04:11) |
20.面白かった。次が気になり飽きない展開だった。が、全体的に描写が濃すぎて(バイオレンスシーン、ラブシーンなど)生理的にキツイ部分があった。 【コーホー】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-02-17 00:04:16) |
19.最初のオ・デス、監禁されているオ・デス、そしてラストにいたるオ・デス・・・。同一人物が演じているとは思えないほどですね。圧巻です。しかし、暴力表現が私にはキツかったです・・・。 【mono】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-12-20 02:57:15) |
18.復讐のために、15年も人を監禁してあーしてこーしてなんて、相当エネルギーが必要なことだと思うが、ダムのシーンで合点がいった。 【センブリーヌ】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-07-28 15:12:00) |
17.《ネタバレ》 自分が殺した姉の復讐のために赤の他人に同じ苦しみを与える映画。自分が殺した姉の復讐のため・・・「お前みたいなのがいるから姉を殺さなきゃならなかったんだ~」っておい!そんなこと言ったらどんな理由があっても真実は一つ、殺人は許されないと言っているコナン君の立場は無いぞ~。つーか、これはジャンルで言ったらホラーですよ。復讐と言うよりは呪いです。 【taron】さん [DVD(吹替)] 6点(2006-05-22 23:24:14) |
16. なんしょかんしょエグい。すべて大げさに感じる。 途中からは話の展開的に、テンポが良かったが、時々説明不足で ”なんで勝手に分かった?”的なところがある。 話は意外性を狙いすぎて、私にはちょっとついて行けない部分があった。
勢いだな。。こりゃ。。 【ごりまし】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-03-04 09:00:03) |
15.《ネタバレ》 なるほどね~。うんうん。見てためになる部分ってないけど、2時間をきちんと見せてたかな?エロ、グロ、バイオレンス、近親相姦と韓国映画って結構過激なのね。映像や回想シーンへの演出が結構こってる。途中の余計なシーンを省いて1時間40分くらいに収めればもっとよかったかも? もっと前向きな話だったらよかったのにと思う。でも、肝はやっぱミドの正体なので、そこを入れなかったらもっとありきたりな話になっちゃうんだろうな。誰かかいていたけど、ある程度大人になって映画のグロさをフィクションとして処理できるようになってからみたほうがいいかも。「その箱を開けないでください」で終わればよかったんじゃないかな? 【承太郎】さん [DVD(吹替)] 6点(2005-12-07 00:15:23) |
14.《ネタバレ》 タランティーノ氏絶賛というマスコミのお触れによって、遅ればせながらDVDビデオで本作を鑑賞させてもらったが、原作よりは遥かに面白いものの、ミステリーや暴力映画として観ると評価を低くせざるを得ない映画だ。
原作の設定である、10数年に及ぶ監禁生活から解き放たれた中年男が、なぜ自分を監禁したのかと問う。多くのミステリのように、犯人探しに燃える男がいるのではなく、犯人が明らかになっている上で、その理由を探すという設定はなかなかに刺激的で独創的だ。ここまでは原作通りだが、原作はそこから徐々に規模が小さくなっていき、最後は小学校時代の「羞恥心」が原因という、全く意味の分からない展開へと進んでいく。
そこは、翻案というものの良い点で、映画は、原作の余りに退屈な謎解きを排除している。原作を既に知っている身からすれば、原作がひどい謎解きを提示している段階で、それを超えるのは当然と思うが、しかしここまで刺激的な謎解きを証しするか、と思うと、うれしくなった(抽象的な言い回しで申し訳ないが、さすがにこの謎をバラすと本作の魅力は落ちるので許して欲しい)。原作つきの映画をどう料理するかが映画監督の手腕だが、うまくいっている。
だが、やはり原作と同様、疑問に思わざるを得ないのは、監禁をした理由が家庭内の問題に端を発した殺人という点である。説得力に欠けると思う。
「10数年に及ぶ監禁生活」という凄みのある事件が、序盤に起こっているのに、そこから謎が急速にしぼんでいくようでは、ミステリとしての評価は高くできない。それを超えるショックがなければいけない。私的でもいいが、もっと極めて陰惨でどうしようもなく静視できないような内容でなければ、あつくなれない。ワイドショーの一場面的な理由で監禁するというのでは、単なる社会学的な考察の域を出ていない。
暴力シーンはワイヤーがないだけいいが、へたくそなカンフーアクションでつまらない。オ・デスがわめくシーンは良い。舌を切るのもいいが、切るシーンを露骨に見せないのは駄目。観客は暴力を観に来る時、汚くてひわいな人間の姿が観たいのだから、惜しみなく見せるべきである。
主人公オ・デスを演じたチェ・ミンシュクの演技はなかなかのもの。タランティーノが本作のどこを観て審査員大賞をやろうと思ったのか不明だが、やるなら男優賞にして欲しかった。 【はなぶさ】さん [DVD(吹替)] 6点(2005-11-21 00:02:53) |