1.《ネタバレ》 カンヌ映画祭パルムドール作品。
生理的に気分の悪いシーンが何度も出てくるが、カンヌが好みそうな濃い演出と負のパワー漲る内容に圧倒された。
ビリディアナを演じたシルヴィア・ピナルという女優さんは、ブロンドが映えとにかく美しく、それとは対照的に下賎の民たちは、色々な意味で恐ろしく醜い。
この対照的な二つの存在が交錯し、やがてはビリディアナを汚染していくという流れに、変態と名高いルイス・ブニュエルの変態たる所以をみた気がする。
終盤の“最後の晩餐”は圧倒的にやかましく不快。
しかし、それを呼び寄せたのは、美しきビリディアナ。
軽はずみな施しが、やがては惨劇を生むという流れは、まさしく「反宗教的」だ。