24.《ネタバレ》 みな様ご存じ、最新科学的知見を取り入れたハッタリを書かせたらピカイチのマイケル・クライトンですが、彼のフィクションは映像化するのには意外とハードルが高いところがあります。本作で言えば、ニューメキシコのド田舎の住民を全滅させた宇宙から衛星が持ち込んだものが何なのか、という謎を純科学的に解明してゆくプロセスを映像として再現するところでしょうね。そこはベテランのロバート・ワイズですから、地下深くに構築された研究施設のディテールに徹底的にこだわった演出でストーリーテリングして成功しています。当時では最先端のコンピュータシステムの画面なんかは今の眼で観ちゃうと微笑ましい限りの代物ですが、執拗に描かれる殺菌プロセスなんかは現代でも通じる絵作りだと思います。このストーリーで地味だが斬新なところは、人々に死をもたらしたものが細菌でもウィルスでもなくアミノ酸を持たない地球上では考えられない生命体だったというところで、「微生物やウィルスのようなサイズや構造の知的生命体が地球外に存在するかもしれない」というセリフには目から鱗という感じでした。 この映画では結局匂わすだけで終わった感じでしたが、衛星を打ち上げて回収する“スクープ計画”なるもの自体がなんとも怪しげです。宇宙から細菌や微生物を採取してBC兵器を開発するのが目的だったと暗示しているようですが、まあフィクションですから目くじら立てることはないですけど荒唐無稽ではあります。でも製作時期を考えると“コロナ・ウイルスBC兵器説”に代表されるような陰謀論の元ネタなのかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-15 22:13:29) (良:1票) |
23.《ネタバレ》 未知の感染症パニック映画と聞いて想像する、「人々が病気でバタバタと倒れる、死ぬ」映像が一切ないことにまず驚きます。 物語の進行も、現地調査はほとんどなく、厳しく隔離された研究施設内で地道に細菌の性質を究明し、その明らかになった特徴で サスペンスを演出するというもの。現代でリメイクするなら、CGを駆使して派手に飾りたい欲を我慢できないでしょうね。良作。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2019-10-21 17:54:15) (良:1票) |
22.《ネタバレ》 終始一貫してソリッドな作り。まるでNHK特集の生真面目な再現ドラマを見ているようです。 ちょっと色気のある制作者なら、未知のウィルスにパニックになる市井の人々だとか、スクープを抜こうとする記者とかの描写を入れそうなものですが、もう頑固なまで科学者サイドべったりの目線。たまにホワイトハウス側の「どうなってるんだよ」という外野の声も入るには入りますが。 スター不在の地味なめんつが地味に(そして必死に)原因を探すのに付き合わされる130分。全身消毒を繰り返すくだりはさすがに飽きますが、派手さは無くともこれが意外にサスペンスフル。特に冒頭の”死の町”描写は淡々としてるが故にぞっとする光景が現実味ありでとても怖いですし、赤ん坊の泣き続ける声というのもこちらの気持ちをざわざわさせます。 そして本作は71年の作品ながら、コンピュータ等の機器に古臭い感性が少ないのも観やすかったです。66年の「ミクロの決死圏」のメカは正直「未来風な」デザインを目指しすぎてヘンテコになった感がありましたから。テレビ電話やタッチ画面など、やけに正確に技術予見してるなあ、と驚きました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-29 16:46:52) (良:1票) |
21.《ネタバレ》 「2001年宇宙の旅」を想起させる緻密な画作りで、閉鎖空間でのサスペンスを手堅くまとめたSF映画の佳作。 科学的見地から人類と未知の生命体との攻防を描き、ミクロの世界の恐怖を見せつける。核爆弾を使えば病原体が拡散するという逆説的な風刺の面白さ。そして、宇宙生物を利用して細菌兵器を開発する計画に気づき「これも偉大な一歩」とつぶやくレービット博士………アームストロング船長の言葉をもじったセリフは皮肉のパンチが効いている。 飲んだくれ老人と赤ん坊という“弱さ”を代表する二人の生存、そのカギを握る酸性とアルカリ性、突然変異と無害化、それらの対比が意表を突く展開で、中盤以降は俄然面白くなる。 核自爆装置の解除は予定調和だが、終盤のハラハラドキドキは後の「カサンドラ・クロス」や「アウトブレイク」などにも受け継がれる、いわば“ハリウッドのお家芸”だね。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-16 11:52:02) (良:1票) |
20.あまりみんなにお勧めできるような映画ではないけれど 好きな人にはいい映画。 |
19.クライトンのこの小説は映画を観るまで読まないことにして待っていたのですが、やっと時間がとれて(暑い連休で外に出るのもおっくう)自宅で鑑賞。このアンドロメダと名づけられた小説では英国の学者フレッド・ホイルの異星から送られた生命体による危機をテーマの小説(多分映画化されていない)があって、更に同時期に書かれた小松左京の「復活の日」(これは「火星の殺人者:MM21と呼ばれる細菌兵器研究のために育てた地球外の細菌が流出して人類滅亡の危機を招くものでこの映画のシチュエーションに似ている)などSFには格好の題材のようです。この映画で感心したのは1970年代初期ですからCGには物凄く金がかかるところをキャラクタベースでの画面で緊迫感を求めていることです(後にマトリックスなどが踏襲していますが、これはつまらない)。安っぽいスリラーみたいに画面に突然化け物が出てくるのでもなく、あくまで正攻法での映像を貫くことで真面目な作品となっています。宇宙との間での物質の出入りは宇宙開発の最初から各国が必要以上にと思われるほど気を配っていますが、昨今のように途上国まで参入してのコスト競争が続くとこの映画が杞憂と笑えない日が来るかもしれません。 【たいほう】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-16 23:48:12) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 宇宙の生物が、エイリアンなどではなく、微生物であるところとか、地下に作られた研究施設の防疫システムや、専門家たちが謎の病原体を解明してゆく、その科学的な過程などの細かい描写が、リアリティを醸し出し、サスペンスとして魅せてくれる。一方、核による自爆システムをギリギリで止める演出など、多少陳腐なところもある。 宇宙から細菌を持ち帰った衛星の形を見て、どうしても一昨年帰還した、はやぶさを思い出さずにはいられなかった。もしあれが、細菌汚染されていたら、大変な事になっていたんだと、恐ろしくなった。大気圏に突入した時の高温で、生き物は死んでしまうんだ、と漠然と考えていたが、地球上でもヒ素を栄養にする生物が発見されたり、まだまだ我々の常識を超えることが、世の中にはいっぱいあるらしいので、油断できないものだ。 物語は、これを軍の細菌研究の招いた厄災としている。研究所の危機と、アメリカ国土上の危機は、何とかアルカリによって脱した事になっているが、まだまだこれからも同様の危機が起こりうることを示唆して物語は終わる。自ら研究していた生物兵器によって、バイオハザードの危機に陥る物語は、たくさんあるが、おそらくこれはその初期の傑作であると言えるのだろう。 【Tolbie】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-06-08 15:14:55) (良:2票) |
【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-20 15:46:30) |
16.細菌との戦いなので映像に派手さは無いが、未知の目で見えない脅威をしっかりと演出されており見ていて緊迫しました。途中専門的用語?がたくさん出てきてついていけなくなりそうでしたが、研究で正体が明らかになっていくのは面白いし、最後はわかりやすいスリルで終わるので楽しめました。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-09 17:53:06) (良:1票) |
15.TSUTAYAの発掘良品コーナーにつられ借りてみました。 2001年を意識しているのかな?特に効果音の使い方が・・。 2001年よりも地味だけど十分楽しめました。 【のははすひ】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-11-01 23:45:51) |
|
14.研究者たちの消毒過程までご丁寧に見せてくれまして、さすがに眠くなってしまったが、病原体の研究はなかなか面白い。それにしてもあの猿の演技力は凄すぎる、本当に殺されたんだろうと思って見入ってしまった。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-27 18:08:56) (良:1票) |
13.2010年、日本国内を席巻したトピックスの一つとして挙げられるのは、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還だろう。 それまで見向きもしなかったものに対して、突如として熱狂することは、善し悪しは別として昨今の日本人の特色だ。 このトピックスで日本中が沸いた際、何かのメディアで評論家が興味深い“不安”を口にしていた。 それは、無人探査機が地球から遠く離れた小惑星から採取したその「物質」が、地球の生態系において全く無害で、人類の科学技術で管理できるものだと、誰が断言できるのかということだった。 大多数の賞賛の中で、その空気の読めないコメントは、特に取り上げられることもなくスルーされた。 だが、その“不安”は、充分に考えるべき要素だと思った。 そして、それに極めて類似する不安要素を、このマイケル・クライトン原作の映画作品に感じた。 映画として優れた娯楽性を見せる作品とは言い難い。 宇宙から飛来した謎の病原体を、4人の科学者たちが深い深い地下の秘密施設で研究し続ける映画で、作中の科学者たちと同様、延々と繰り返される終わりの見えない研究室の風景には、退屈感が蔓延する。 主要キャストの4人も、オジンとオバンばかりで格好良さがまるで無い。 謎の物体が、突如として真の姿を現し始める瞬間など、スリリングな場面は幾つかあるのだが、もっと娯楽性高く映画全体を魅せる方法はいくらでもあるように思う。 ただ、今年「はやぶさ」に対する安直な熱狂があったからこそ、この映画が描き出す「恐怖」は、実はすぐそこに迫っているのではないかという緊張感を増幅させる。 そう考えていくと、分かりやすい娯楽性なんてこの映画には必要なく、延々と続く研究シーンと同じく、「未知なるもの」に対する実態の見えない分かりにくさこそが、「本質」なのだとも思える。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-10-18 22:32:41) (良:2票) |
12.《ネタバレ》 最近「地球外生物の存在が確認(?)」されたニュースのせいか、とても興味深く観賞することが出来ました。 子供の頃、テレビのロードショーで放送された数少ないSF映画の一つで、当時はレーザー光線に感動しただけで、話の内容は全く理解できませんでしたが、今、再び観賞して本作のストーリーを理解できました。 ただ、対象物の弱点が意外にあっけないものだったので拍子抜けしてしまった感もあります。 自爆スイッチのキーを持つ資格が独身でなければならない点は笑えました。 それなりにスリルがあって面白いですが、娯楽映画として期待してはいけません。 眠れなくて目が冴えてしまって、どうしようもないときに観賞するのがベストだと思います。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-14 03:13:10) |
11.《ネタバレ》 ノイズ音から入るオープニング、村に到着→探索するくだり、そこでの科学者たちと死体の分割場面、こいつらが非常にカッコイイんで期待膨らんだんですが、研究所に入ってからディティールにばっか拘ってるような感じがして(最初は楽しいんだけど•••)段々集中力が衰えていった。ただそれによって(ある意味)研究所の閉塞感は出せているし、SF映画としては大満足。終わりかたは「未知への飛行」に通じるものがあったけどこっちのほうが断然キマッてた。あとtantanさんが仰っている猿は、DVDのメイキングでプロの調教師っぽい人が手馴づけていてホッとした。あんた演技力凄すぎ。 【P】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-02-05 11:09:16) |
10.おすすめSF。ロバート・ワイズ監督は何を撮らせても達者。 【ジャッカルの目】さん [地上波(吹替)] 7点(2007-04-12 18:23:09) |
9.原作を読んで以来ずっと見よう見ようと思っていた作品だが中々見る機会がかったが先日鑑賞する機会に恵まれました。原作にかなり忠実で抑え目な演出がかえって緊迫感を醸し出してると思います。良作です 【AIRS】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-01-04 02:20:43) |
8.《ネタバレ》 娯楽SF作品のつもりでいると肩透かしを食らうかもしれません。宇宙人もUFOも怪物も出てきませんから。舞台もほとんど研究所の中。画的な地味さは否めません。しかしこれが面白い。“なにが起こっているか分からない”状態を科学の力で解明していく。段階的に判明していく正体。そして急展開。見えない“敵”との戦いがこれほどスリリングとは思いませんでした。また本作の魅力のひとつは、当時の科学力。アナログ感覚が残っていて丁度いい。あまりにテクノロジーが進み過ぎると、何が何だか分からなくなります。落ち着いた趣の佳作SFだと思いました。ただ、ご指摘の方もおられるように、じれったく感じる部分もありました。昨今の展開が早い娯楽作品に慣れている自分に気付きます。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-14 18:18:57) |
7.細菌の正体・その増殖防止法を巡っての謎解き・危機感の演出は、いま観ても十分に鑑賞に耐えるレベルです。華美さはありませんが、渋めに仕上げられた佳作です。 【K】さん [DVD(吹替)] 7点(2005-07-25 13:25:10) |
6.ドキュメンタリー風の映像は緊張感があってうーむ、さすがです。病原体の謎を解いていく過程とラストが見どころです。 【ジム】さん 7点(2004-05-19 18:45:34) |
5.さっきレンタルで借りてきて観ました。さすがに今見ると古臭いけど、これはこれでひとつの世界が出来上がってていい味出してます。原作も読んでみたいですね。 【ロイ・ニアリー】さん 7点(2003-12-23 23:58:50) |