5.しりあがり寿の世界を映画にするという無謀さにあきれたが、ここまでの完成度にするとは恐れ入った。誰が撮っても駄作になるとしか思えないこの作品を及第点にまで持っていった手腕は買いたい。「木更津」ではやり過ぎと感じたが、こういう作品ならば少々の無茶もきくということなんでしょうか。しりあがり寿作品の懐の深さの勝利? 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-08-13 04:55:48) |
4.もっと中途半端なおふざけ映画を想像してたんですが、意外に悪くなかったです。一番感心したのは、しっかりとした作り込み。馬鹿映画だからってVFXに全く手を抜いてない。荒川良々のシーンなんて、かなり良く出来てますよ。そして私的には、初めて見た長瀬智也が好印象。「何でぇ何でぇ、どーしたんでぇ」という江戸弁のわざとらしい芝居が嫌味にならず、凄くマッチしてました(その代わり、非常に解り易い豪華キャストが少しウザい)。彼らの旅はお伊勢参りに向かう弥次喜多道中ではなく、自分の心の源流へと向かう「手前探しの旅」。この映画は最初から最後まで、薬によるトリップから遂にこっちの世界に戻って来られなくなった喜多さんと、彼が心の中に作り上げた弥次さんによる精神世界の彷徨なのです、7点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-02-09 00:02:09) |
3.《ネタバレ》 なかなか混沌としたストーリーでしたが、評判とは裏腹に結構面白いじゃないですか。オープニングの戸板テトリスには度肝を抜かれました。弥次さんが喜多さんに殺され魂が健康ランドに行くシーンは哲学的とすら思いました。でも画面に荒川良々がいっぱいいてちょっと怖かった。 【あんぐれーず】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-01-22 22:29:56) |
2.《ネタバレ》 原作未読のうえでの感想です。この作品、最初はいい意味で単なる「おバカ」映画と思って観たのですが、まったく違いました。これから観ようとする方は、必ず最後まで作品をご覧になることをお勧めします。前半と後半ではまったく趣きが異なります。ただ、面白いかどうかは人によります。(以下ネタバレを含みます。あくまで私個人の捉え方ですので、的はずれかもしれません。)本作のテーマは「現実(リアル)」とは何か?です。喜多はドラッグにより、弥次は旅することにより、向き合いたくない「現実」から逃避しています。つまり物語で起こっているほとんどの事象は2人にとって「現実」ではないわけです。こう考えると時代設定無視の事柄も「現実でない」ことを端的にあらわしているといえます。弥次は向き合いたくない現実(妻殺し)と向き合うことで「現実」を取り戻す(死後の世界から生還という形態)一方、喜多は向き合いたくない現実(弥次殺し)から逃避することで、別の「現実」を得ようとします。こうしてみると「現実」とはいかに不確定なものかが分かります。実際、作品中のあるべき「現実」を取り戻した後も、弥次喜多2人はいるはずの無いピンクの像にまたがり、あるはずの無いバイクで疾走しています。「現実」か「現実」でないかは観客本人が決めること。あなたは「現実」を生きていますかと問われている気がします。考えすぎかな。もっと単純にわははと笑うのが正しい見方かもしれません。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-05-02 00:07:49) (良:1票) |
1.●なにげに「やられました」ね~。前半これでもかといわんばかりの不条理ギャグの連発、見ている観客は”もういいよ~、飽きてきたよ~”と意味不明な展開に疲れてくる。そのボーっとした、いわば「高熱もしくは薬に冒されて丸裸になった」脳天にズブリと突き刺さる王の宿→魂の宿の展開、そして真理。リヤルとは何か?●「あなたは彼の夢なんですよ」とても美しい台詞ですよね~。自らの身をキノコに変えつつ、ひたすら愛する人の幻想を作り続けようとする。一見意味不明のギャグに見えますが、実は恐ろしく愛というものの本質を捉えているような気がします。●それにしても、長瀬君うまい!素晴らしいね!良い役者だと思いなおしました。 |