1.《ネタバレ》 登場人物がそれぞれアサッテの方向を向いて会話する。
そんなダイアローグが延々と続く拷問の様な映画。
冒頭、冷え切った関係にある夫婦のダイアローグから始まる。
妙な長回しで、なんか観ていて妙な疲れが出る。
それが嫌というくらいに続いた後で、屋外のシーンへ。
ここで一瞬ホッとするも、そこでも閉塞的な会話が続けられ、一瞬の解放感は間違いだったと気付く。
その様な息の詰まるシーンが脈々と続いていく・・・
「緊迫感」というテーマを主題に置いているんじゃないかというくらいに、緊迫感、圧迫感、閉塞感を終始感じた。
楽しさは皆無で、ひたすら目の前に広がる観たことのない映画世界に吸引されるのみ。
観ているこちらとしては、強引に受身にさせられる。
本作は決して楽しい映画ではなく、苦しい映画だ。
だがしかし、他に類をみない独自の緊迫感を持った作品であった。