1.《ネタバレ》 ネタとしては「ん?どこかで聞いたような見たようなハナシですよ」って感じですね。切羽詰ったダメな男があるきっかけで何故か全く違う成功している自分になってた、って。この映画の場合はパラレルワールドの自分と入れ替わっている訳ですが、ただ成功を享受するのでなく、もう一人の自分もまた切羽詰まった状態で、それを修復しなければならない、ってところが面白かったです。人生の選択の相違によって、全く違う生活を手に入れていたけれど、自分という人間はどの世界にいたところで、やはり自分以外の何者でもなかった、という至極真っ当な物語が嫌味なくストレートに描かれえていて、誠実な映画だと思いました(いろんな人の職業や会社が異なっている部分なんかは説明ナシでしたけど)。元の世界に戻ってからのドラマは、忘れかけてた伏線がきっちり活かされて、つい感動させられちゃいました。本編がハッピーエンドで終わって、ああ良かった面白かった、でも、もう一人の方は、あっちの悲惨な世界に行ってしまって、一体どうしてたんだろうなぁ?っていう疑問もエンドクレジットでキッチリと描いてくれて、胸のすく思い。ちょっとした拾い物映画、という感じでした。