1.最近の伝記映画の中では最高に楽しめました。常識と戦うエキセントリックな人物の物語は、それだけで充分面白い。特に前半の、面接調査のリハーサルとして自分で作った設問に、キンゼイ博士自身が答えていくという自然な構成が秀逸。有名な「キンゼイ報告」についてはもちろん「熟知」してますけど、博士本人については全く知らなかったので非常に勉強になりました。この人は正に近代のガリレオ・ガリレイ。単なる迷信でしかない宗教的倫理観から「異端」扱いされる科学者というのは、「キンゼイ報告」から350年遡った「ガリレオ裁判」の時と全く同じ。生物の本質は「多様性」にあるという結論に辿り着いた動物学者は、ヒトの持つ多様性の素晴らしさも信じていました。それにしても良い奥さん見つけたよなぁ…、7点献上。