2.《ネタバレ》 まあまあ怖い。雰囲気好きです。話のスケールがそんなに大きくない、でも警察や報道といったものはきちんと描かれているバランス感覚が良い。
『口裂け女ビギニング』とも言える内容。なぜ『口裂け女』が生まれたのか、その背景を描いているのは面白いですね。邦画ホラー特有のカビ臭さが感じられる画作りも良い感じです。更には『憑依される前の咳き込み』が、惨劇の前兆として恐怖心を煽られます。好きなんですよね、こーゆー単純でわかり易い予兆。
『口裂け女』には物理的な攻撃が効く。なんとかなりそう。と、思いきや、どうあがいても滅ぼすことはできない。憑依している肉体が死ぬだけ。この設定は単純ながら効果的。悲劇を量産できる優秀なギミック。子供達は『口裂け女』に襲われる恐怖だけでなく、母親を奪われるという絶望まで味わわされることになる。これがホラー。『痛み』『恐怖』『絶望』といったものを、緊張感とともにフィクションの世界で感じさせてくれるのがホラーの醍醐味であり原点ですね。女の子が憑依された自分の母親からハサミで切られちゃうのはショッキングでしたが、ホラーだからこそできるその思い切った演出には、あえて賛辞を送りたいです。
ただ、ラストはだめ。そこだけなんでサトエリのまんま?そこは当然水野美紀でくるべきでしょう。