1.裏寂れたヨーロッパの田舎町…音楽ほとんど無し…編集忘れたかのような長回し…どことなくアンゲロプロス監督辺りの質感。これがその調子のまま、ハリウッド映画と見紛うばかりの戦争シーンに突入するのが面白い。おそらく国連の多国籍軍の話かと思うが、アメリカ人でなく欧州人(オランダ人かフランス人?)から見た視点というのも新鮮。ハリウッド反戦映画だと「ああ俺は酷い事をした」と勝手に反省して自己完結してしまうキライがあるが、この映画の場合、反省では済まずきっちり相手側(被侵略側)から制裁を受ける。(レイプした後にチンポ切られちゃうとか。)こういう点、上手く言えないが、より他国側の視点が汲み取られている感じで、非アメリカ人の自分としては何か腑に落ちる感覚がある。残念なのは故郷側の堕胎と戦場での殺人を同格に語ろうとしている(ように見える)事。確かに「人を殺す」という事は一緒だが性質が全く違うわけで、少し安っぽい印象になってしまった感じ。